実技試験免除の不公正と不透明そして功罪
実技試験免除がいつ決定するのか、それは受講終了後に通知がきてみなければ分からない。すなわち、受講中は一切実技試験免除に関する試験や検定は行われず、全く何も知らない状態で講座の受講が終了する。そして、11月半ば頃に通知が届いてから、試験の申込を行なうにあたり、それぞれ受験料が違ってくる。それだけでも余計な出費である。私が知る限りでも、この「日本産業カウンセラー協会」の受験料はめちゃくちゃ高い。実技試験と学科試験があり、合わせて5万円以上もするのである。馬鹿げている。一体この受験料は何に消えるのか、誰の懐に入るのであろうか、甚だ疑問である。厚生労働省の天下りの懐に入るというのが妥当な憶測だろうか。受験料も高いが、それ以上に、実技試験免除にならなかった場合は、学科試験のみの勉強に集中できなくなるため、さらに合格のハードルが上がるのである。ここで、実技試験免除者と免除にならなかった者同士が仲たがいする。流れは以下のようである。1.実技試験免除結果が来る前皆が、実技試験免除にならなかった仲間のためにセッションの練習をやろうよ、と声を掛け合っている状態。しかもかなり具体的に何時頃どこでやろうかと仲良く話していることが多々ある。自分が実技試験免除になっても、ならなかった仲間の練習に参加するとか手伝うとか言っている。さらに、結果通知は皆知らせ合おうとも言っていた。2.実技試験免除結果の通知が届くしかし、いざ結果が郵送されてくると、免除はことごとく裏切って、自分が免除になったことを隠す。私の仲間の場合も、実技試験免除にならなかった仲間が第一声で「落ちた」とメールで報告があり、その後も落ちた人しか報告がなかった。3.実技試験免除にならなかった者に課せられる試練(実技試験の練習)実技試験免除者は当然自分の時間を学科試験に使いたい、全力投球したいはず。当たり前である。そのため、実技試験免除者の練習なんかには結果的に誰も付き合わなかった。協力は皆無だった。これも当たり前と言えばそうであるが、思い出してほしい。結果が分かる前に仲間だと思っていたグループの人達が何と言っていたかを。4.実技試験免除者の評価ここで、免除になった者とならなかった者の違いを考察する。、、、これがよく分からないのである。つまり、実技免除試験をやったわけでもないし、ましてや他のグループとの比較もできないので、自分と他者が何が違って結果が違ったのかが全く分からないのである。実技免除試験も無ければ採点表もないし、なので点数もどこが悪くて免除にならなかったかも、一切分からないのである。ここまで、不透明で不公正で客観性の無い試験免除制度は、私が文部省職員で国立大学にいる現在でも、聞いたことがないし、ここまで不適切な試験制度は文部省が許すはずもないのである。むしろ、めちゃくちゃ怒られる事案なんだけどなぁ。それこそ指導が入る。また、実技試験免除者の実力は大したことは無いだけじゃなく、ひどい応答をする人も免除になっていることに注意が必要である。すなわち、実技試験免除になって学科試験のみ受験し合格した人が、有資格者となって産業カウンセラーを名乗っていることの危険性である。人の話に耳を傾けず、傾聴せず、自分の興味の質問をどかどかぶつけ、べらべら自分の意見を言う人が免除になっている。逆に、じっくりと耳を傾ける、しっかりと傾聴するような人ほど、免除になっていない。そういった傾向ははっきりと表れている。5.補講は一切関係なし補講は時間が足りない人だけ受講すればよい。補講の時期にはすでに実技試験免除は決まっている。なのでそれからうまくなっても免除にはならない。6.実技試験免除にならなかった者のとるべき道落ちた者同士が集まっても練習にはなるが、上達するとか試験対策になるとか期待はできない。なぜなら、落ちた者の集団なのだから。そして、免除者はそれに加わろうとはしない。なぜなら、学科試験合格を突き進むのだから。というわけで、実技試験免除にならなかった者は、実技試験と学科試験の非常に苦しい試験勉強を強いられることになる。もし、知り合いに合格者がいるのであればその人に練習をお願いするのがよい。以上述べてきたことから、とにかく、この不公正かつ不透明な実技試験免除をとることが合格するためには重要なポイントである。試験料も1万円以上違ってくる。実技試験免除を目指して自分をアピールするほかない。はっきり言っておく。クライエントの気持ちを理解するとかではなく、自分の意見をずばずば言ってアピールするだけである。人の気持ちはどうでもよいのである。そんな実技試験免除者ばかりだから、相談者やクライエントをさらに一層深刻な精神病患者にしてしまうんだろう。