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カテゴリ:人生と哲学
私は就労中の60%の労力と時間を割いて、新華社ニュースを日本に向けて配信する某社の編集長業務を行っている。10人ほどの翻訳者が1人当たり2-3本の記事を日本語に翻訳し、それを私が校正し、編集するわけだが、今さらの話題として日本人の国語力低下について一言。 そこまで低下していない人でも間違えてしまうのが「排気ガス」という言葉。昨日の記事ではちょうど、北京市で2008年から排出ガス基準4レベルが全国に先駆けて導入されますよ、という話題の記事が一つあり、期待通り、あるいは期待を裏切ると言うべきか、あった。間違い用語「排気ガス」が。 「排ガス」とか「排出ガス」、「排気」など、いろいろと正しい用語はほかにもあるのに、唯一間違えている「排気ガス」をよりによって使うとは…「気=ガス」だから、重複してますよ、「女性のおばあさん」という言い方のように間違えていますよ、と言いたいところだが、こうして編集者の私が校正するので、うちの会社の翻訳者が犯したミスにとどまるならば深刻な問題でもない。国語力が低下と言うよりは、ついつい普段のくせが出てしまったというところだろう。 しかし、一般メディアが同様の間違いをすると事態は危なくなる。今回の記事はたまたま日中経済通信が配信したのと同じ原文だったようで、日本のサイトで既存の情報を調べている最中、ここでも「排気ガス」を見つけてしまったのだ。問題の記事は興味があれば見てみてもいい。最後の段落ではっきりと「排気ガス」と書いてあり、しかも日中経済通信のこの記事は既に他のメディアでも配信されてしまっている。 こういった記事がヤフーや日経BPネットなどの大手メディアに配信され、そしてブログなどで次々と引用されていくなかで、間違った日本語が正しいものと誤って認識されていく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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