編集者を殺せ
なにやら物騒なタイトルですが、レックス・スタウトが創出した、いわゆる"安楽椅子探偵"、「ネロ・ウルフ」の長編です。これで3度くらい読んでいますが、飽きません。文章がしっかり練りこまれているからでしょうね。本当に頭の良い人は、自分の時間を持つことができるんだなあと、最近になってウルフの生き様になるほどなーと納得しつつあります。以前は、限りなく現実的な話でありながら、どこか現実離れした要素があったのですが、自分の人生を通して、共感できる部分が増えてきたせいなのでしょう。1日4時間、誰にも邪魔されることなく蘭を育てることに没頭し、お抱えのコックの料理を四六時中味わい、決してあわてることなく受け止めることの出来る人生。実際の世の中でも、そんな人はいます。そういう人はやっぱり、天才といわれるだけのことをしており、自分の好きなことをするだけの資格があるのだなと思います。ウルフの小説は、オークションを通して、絶版を含めて単行本になっているものは、ほとんど集めることができました。あと、EQなどの戦前・戦後の短編を収集するとなると、途方もない時間がかかりそうです。まあ、こういう収集は、何十年と気長にかまえるしかないのでしょうね。