テーマ:創作童話(818)
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ザビエスの肩に跳び乗ったガマのビッグ、ペロペロと舌を出します。
「そうか、やはり岩石に覆われている皮膚は迫力があるの。ブッチャーと も闘った戦士だと聞いているぞ、ゲロゲーロ。ザビエス、色々と訊きたいが 構わないか」 「俺が知っていることなら、なんでもいいよ。カメぱっぱとも友達になって 楽しい時間を過ごしているよ」 「そうか、まず赤膚族のブッチャーがいつまでも海底王国に居るとは思わ ないので、ザビエス、あんたの考えを教えてくれ」 「彼は海底で落ち着いているタイプではない。そろそろなんらかの口実を 設け地上へ出てくるだろう。その際、ボントスとどのような取引をして いるかが問題だ」 「例えば?」 「以前のようにニューヨークにある摩天楼の一角に住んで、そこから人間 社会をコントロールするつもりなら、容易にできる。兵隊としてクローン・ ロボットを大量に生産する必要もない。今のところ、海底人の力を見せ つけられた人類は命令に従うしかないのだから」 「ブッチャーは海底人の下僕にはならないだろうな。彼には彼の考えをある だろうからゲロゲログァアグッア」 「だが奴らにはひとつだけ共通のテーマがあるのだ。それはボントスと同じで 太陽系以外の星へ行って、温度、大気成分、環境が合えば自分たちのものに するという野望がある」 「宇宙基地が完成すれば、ブッチャーは我先に宇宙へ旅立つな。ケロケロ」 「どっこい、ボントスもその辺は承知しているだろうから、優秀な部下を 隊長にしてブッチャーを管理するだろう」 「ボントスとブッチャーが仲間割れすると、人類には大きなメリットが 生まれるかもしれんなゲーロゲーロ」 「人間や地底人よりも知能があれば、腹で思っていることは隠しとおすな。 それにブッチャーは地下牢から助けだされた恩もあるから、ボントスには 表立って逆らわないはずだ。やはり奴らを分断する手段を考え、実行 する方がいいだろう」 「ザビエス、あんたは将来、地底に戻って生活するのか、それとも地上で 暮らすのか、どちらを考えているのじゃ」 「ニューヨークの高層ビルの一室から下界を眺めていたら、天下を取った 気分と高揚感に包まれていた。そのときつくづく思ったね。住むならここで、 地底には2年に1回程度、短い期間、戻れば充分だと」 「そうか、やはり地表でのパノラマを見てしまうと、その魅力には勝てない だろうなゲロゲロ。それを訊いたのは赤膚族が地上に住むならば、海底人 だけでなくブッチャーの動向をも監視しないと混乱を招くのじゃ。 今後の海底王国をどう考える」 「現在はボントス派が主導権を握り体制を維持しているが、エリーゼと AIのマザーが彼を倒すだけの力を持つのかどうか、それを見極めないと 我々の将来はまだまだ予測不能だよ、ビッグ」 つづく 米米米-----------米米米 〇地底王国の暴君、メルトン・ブッチャーを地下牢に閉じ込め、人類と生田 緑地の動物たちは平和を取り戻したのですが、まさか今度は海底王国が 様々な要求を突き付けて人間を脅迫するとは、想像できませんでした。 一部の読者から、これだけ長いと過去のあらすじを忘れたので、まとめて くれとの要求がありました。 そこで次回から「海底人との闘い」の中に新たなキャプション(小見出し)を つけ、今までのあらすじを掲載します。あらすじだけで20回~50回くらいに なる予定です。 💛💛💛お楽しみに💛💛💛 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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