2023/11/25(土)05:05
モーリシャス料理
インド洋にある島国モーリシャスってのは風光明媚なとこですね。
ビーチやラグーン、サンゴ礁で知られているけど、内陸部の山には熱帯雨林や滝がたくさんあって理想的なリゾートのひとつ。
治安もスリやひったくりと云った犯罪が散発されてますが、凶悪犯罪は少なく、周辺諸国と比べると治安状況は良いとされています。
モーリシャスはイギリス連邦の1つで、インド洋にあるのに、国際的にはアフリカ国家の1つに数えられてるんですね。
この海域に島々が点在していることは、10世紀以前からアラブ人航海者に知られていました。
15世紀にはインド系とインドネシア・マレー系がやって来てます。
ヨーロッパ系としては、1505年にポルトガル人が初めて到達しました。
ここからはお馴染みの西洋人による植民地政策が始まります。
先ず、1638年にオランダがインド航路の補給地として植民を開始しました。
しかし植民地経営は上手くゆかず、1710年にオランダは撤退しました。
そしたらお次はフランスです。
で、首都のポートルイス建設や開発を行ってモーリシャスの基盤を作ったのです。
このときにもアフリカから多くの奴隷が連れてこられてます。
1810年にはイギリスに占領され、4年後にはイギリス領になってます。
1835年にイギリス議会で奴隷解放が可決され、農園などで働いてた奴隷たちは自由を得ました。
ところが奴隷解放によって労働力が不足してしまったのですね。
それで、補充のためにインドからの移民が開始されました。
そうしてインド人はモーリシャスで最も多い民族となっていったのです。
1968年になって英連邦王国として独立を達成。
シウサガル・ラングーラムが首相に就任しました。
そうして徐々に繊維産業や観光業の発展で経済成長を実現したのです。
そう云うワケで、モーリシャスは奴隷と移民で構成された典型的な多民族国家です。
インド系が68%、アフリカ系と白人の混血クレオールが27%、中国系が3%、フランス系が2%なんですね。
そう云うことで、島の通りには寺院から教会、モスクが立ち並んでいます。
インド洋に面した国です。
と~ぜんシーフードのメッカ。
なんですが、土地独特の料理にもそそられるものが沢山あります。
なにしろ多民族国家ですから、出てくる料理も千差万別。
ただしが付きますね。
ほとんどは屋台やそれに類する飯屋料理なので、こう云うトコが受け付けない人は圏外。
そう云う方は、ホテルのダイニングで食べるしか無いのは、どこの国に行っても同じこと。
そんなモーリシャスの庶民料理を何点か。
先ずはインド系が多いのでカレー料理を
下の画像はクレオールカレーです。
クレオールカレーはインドカレーと少し異なって、スパイスはそれほど強くきかせてません。
ベースは玉ねぎ、にんにく、カレーリーフで作られています。
しかしモーリシャスもモーリタニアに負けず劣らずタコの産地でもあります。
で、タコカレーもモーリシャスではとてもポピュラー。
私にはインド風より、こっちの方が食べやすそうな。
同じ煮込み系では「ルガイユ」と云うクレオール料理がポピュラーです。
ルガイユはトマトを使った料理です。
それにニンニク、玉ねぎ、唐辛子、コリアンダーとタイムを加えたソースで煮込みます。
このソースに牛肉や鶏肉、羊肉、シーフードなんかをぶちこんで煮てあるのですね。
モーリシャスの典型的なインド料理に「ビリヤニ」ってのがあります。
サフランライスと牛肉、鶏肉、マリネした魚なんかを「デグ」と呼ばれる大きな銅製の大釜で調理したものです。
サフランライスはサフランの他に、クローブ、シナモン、砕いたカルダモン、スターアニス、クミン、などのスパイスで香り付けしてます。
チリソースとタマリンドソースを添えて食べるのですね。
「逆さ丼(Bol Renverser)」と云うのがあります。
マダガスカルなんかでもポピューな料理で、クレオール語で「逆さまのボウル」が名前の由来とされてます。
ボール状の器に、丼とは逆の順に肉や魚介類の具を入れ、その上に白飯かチャーハンを入れてから、ひっくり返してお皿に盛りつけたものです。
さっきタコカレーをご紹介しましたが、カレーがあるならサラダもあります。
こっちの方が馴染みやすそう。
中華系モーリシャス人にポピュラーなのはお馴染みの焼きそば「マインフリット」ですね。
広東語と客家語で麺「マイン」とフランスの揚げ物「フリット」を組み合わせたものです。
モーリシャスのはカボチャの葉やタロイモの葉など「ブレデ」を添えて提供されるそう。
麺は黄色みおびてます。
味付けは基本のナンプラーですが、ガーリックソースやチリソースを加えることもあります。
モーリシャス風ギョーザは「ブーレット」。
中国と同じ蒸しギョーザですね。
モーリシャス人のソウルフードと云えば「ダルプリ」。
ダール豆を煮てつぶし、丸い団子状にしたものを小麦粉の生地で包み、それをクレープ状に平たくして焼いたものです。
数種のカレーを包んでいただきますが、1つでは物足りないので、常にペアで提供されます。
モーリシャス料理の特徴は熱帯の食材と、多国籍の文化が融合したものですね。
フランス文化、元アフリカ人奴隷、インド人労働者、19世紀にやって来た中国人移民の影響を受けてます。
モーリシャス中国料理は、島中のレストランで最も普及している料理の1つです。