2007/10/21(日)00:41
クリストファー・クロス 「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」
クリスマス特集~恋人達のバラード(←ありがちなタイトル) 第六夜
原題「Arthur's Theme(Best That You Can Do)」。
「ミスター・フラミンゴ」ことクリストファー・クロスの1981年の全米No.1ヒットである。
共作者であるバート・バカラックにとっても、4つめのNo.1ヒットとなった。
1980年のデビュー・アルバム「南から来た男」が大ヒットを記録し、その年のグラミーも総ナメしたクリストファーに声をかけたのはバカラックの方だった。
バカラックは、この曲を歌うのはクリストファー以外にありえないと考えていたという。
「彼にとってはいい経験になるだろうと思った。僕やキャロル(バカラックの奥方)と一緒に曲を書いてみる気はないかと誘ってみたんだ」-----バート・バカラック。
この偉大なる先輩からお誘いがあったのは、クリストファーがグラミー賞をとる前の事で、当時ノリにノろうとしており、もうひとつダメ押しのヒットが欲しかった彼にとっても、願ってもない話だったに違いない。
バカラックとキャロル・ベイヤー・セイガー、そしてクリストファーの3人は、1晩か2晩で曲を書き上げてしまったという。
この曲の共作者に名を連ねている、もうひとりの人物はピーター・アレン。
サビの部分の「When You Get Caught Between The Monn And New York City」というフレーズは、キャロルがその2~3年前にピーターと書いた未発表曲の中のものだった。
切ないイントロに導かれて聴こえてくる、クリストファーの透き通るようなハイトーン・ヴォイス。
センチメンタルかつスタンダード的な気品を持った美しいメロディ。
洗練されたメロウなサウンドの向こうには、摩天楼の夜景が見えてくるようでもあり、「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」という邦題もふさわしい名曲中の名曲だ。
ダドリー・ムーア、ライザ・ミネリ主演の映画「ミスター・アーサー」の主題歌として使われたこの曲は、アカデミーの主題歌賞も受賞した。
この曲はオリジナル・アルバムには未収録。
上の写真にあるベスト盤などで手軽に聴ける。
クリストファーはこの後、残念ながら商業的にはどんどん尻すぼみになっていったが、良質な作品をコンスタントに発表し続け、今も地味ながら根強い人気を保っている。
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月とニューヨークの間に迷い込んだ時は
わかってるさ、そんな例えが馬鹿げてることは
でも、本当にそうなんだ
月とニューヨークの間に迷い込んだ時は
君にできる一番の事はね
一番いい方法ってのはね
恋に落ちることなんだよ