2008/08/27(水)07:50
UFO 「Only You Can Rock Me」
日本には八百万(やおよろず)の神がいるというが、ギタリストの世界にも"神"と呼ばれる人はたくさんいる。
マイケル・シェンカーもそのひとりだ。
なんせ、あだ名からして"神"だもんね、この人。
オレの友達にもフライングVを持って「Armed And Ready」を必死に練習してるヤツがいたなぁ。
岡本ぉ、チューニングは合ってるかー?
UFOは、そのマイケル・シェンカーが在籍していたブリティッシュ・ハードロック・バンドである。
結成は'69年、その翌年には早くもプロ・デビュー。
当初から「C'mon Everybody」がドイツや日本でヒットするなど、それなりの成功をおさめていたが、バンドが本格的に飛躍するのは'73年にマイケル・シェンカーを迎えてからである。
マイケルはドイツ出身のギタリストで、もともとは兄ルドルフのバンド、スコーピオンズで演奏していた。
UFOへの最初の参加は、ツアーの代役ギタリストとしてだったが、メンバーの要望によりそのまま正式加入することとなる。
マイケルを得たUFOは一気にスケール・アップし、『Phenomenon』('74年)、『No Heavy Petting』('76年)、『Lights Out』('77年)といった傑作を作り上げる。
「Doctor Doctor」、「Rock Bottom」などは、今もハードロック・クラシックとして残る名曲だ。
'79年の『Strangers In The Night』も名ライヴ盤のひとつに数えられている。
そして、ヒプノシスのデザインによるジャケットが印象的なアルバム『Obsession(宇宙征服)』('78年、上ジャケット)は、マイケル・シェンカーが参加した最後のアルバムであり、これまた見逃せない一枚。
特に、ファンの間でも人気が高い「Only You Can Rock Me」は、僕がUFOでもっとも好きな曲だ。
ポップで明るいメロディ、ストレートで爽快な演奏はブリティッシュというよりアメリカン・ロックに近く、80年代ハード・ポップを予見するものでもある。
と思いつつクレジットを見ると、録音場所はアメリカ、プロデューサーは産業ロックの職人ロン・ネビソンとなっていて、思わず納得(笑
シングル発売もされた「Only You Can Rock Me」は、ヒット性抜群のクオリティを持ちながら、チャート的には全英50位とあまりふるわなかった。
だが、一度聴けば頭にのこる"分かりやすさ"と"カッコよさ"がこの曲にあると思う。
骨太でリズミカルなギター・リフからして、ツカミはばっちり。
オルガンの音色にも胸がおどる。
フィル・モグのブルージーな歌声に対して、メロディはあくまでも陽気でキャッチー。
「Only You Can Rock Me, Rock Me♪」という部分ではポップなコーラスもしっかり入って楽しさ倍増。
このBメロからサビにかけての展開は思わず一緒に歌っちゃう
サビ部分での、ギターのバッキング・フレーズもカッコいい~♪
歌メロだけでなく、間奏もこの曲のハイライトのひとつだ。
ブレイク部分でのオルガン・ソロは神秘的で美しい。
そして、続くマイケルのギター・ソロだ。
時間的には短く、"弾きまくっている"というほどのプレイではないが、メロディアスで飛翔感にみちたフレージングは素晴らしいのひと言。
歌心あふれる高音部のチョーキングはもう男泣きの世界。「神」の名に恥じない名演中の名演といいたい。
メロディ、ヴォーカル、演奏、どれをとっても文句なしのこの曲は、文字通りRock Meさせてくれるナンバーだ。
ファン以外の方にもオススメしたい、ナイスな一曲です。
UFOはこの後、マイケルが脱退(失踪癖によるクビだとか)したのを機に精彩を失っていく。
バンドは'87年に一度解散するも、'92年に再結成。その後また分裂してしまうが、現在はフィル・モグを中心に活動しているという。
マイケルもそんなバンドに参加しては脱退しを繰り返し、現在では距離を置いている模様。
なんとも困った神様だが、なんだかんだでワタシが聴くUFOのアルバムは、マイケル在籍時のものばかりなのでした。
アルバム『Obsession』は、ほかにも「Lookin' Out For No. 1」、「Hot'n'Ready」、「Born To Lose」など聴き所多しな一枚。
名盤『Phenomenon』とあわせて、興味のある方はぜひどうぞ。
とりあえず「Only You Can Rock Me」を聴いてみよう。ハナシはそれからだ。
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