|
テーマ:洋楽(3300)
カテゴリ:70年代洋楽
心あたたまる歌声と耳ざわりのよいフォーク・ロック・サウンドはいつ聴いてもシミジミする。 といっても、イギリスの若手ロック・バンド、Kasabian(カサビアン)のドラマーとはまったくの同名異人ですよ。 ボクの好きなイアン・マシューズはナイーヴなシンガー・ソングライターなの!(`◇´) イギリスはリンカンシャー州の生まれの、イアン・マシューズ・マクドナルドは、ピラミッドのメンバーとして'67年にデビューする。 同年に彼は、リチャード・トンプソンやサイモン・ニコルと共にフェアポート・コンベンションを結成。ヴォーカリストとして、1stと2ndアルバムに名をきざんだ。 フェアポートを抜けた後、イアンは自身のグループ、マシューズ・サザン・コンフォートを結成。カントリー風味のソフトなフォーク・ロックを聴かせ、'70年にはシングル「Woodstock」(ジョニ・ミッチェルのカバー)を全英1位にするなどして、人気を博す。 グループ解散後はソロ・アルバムを二枚発表し、今度はプレイン・ソングのメンバーとして活動。 そして、ふたたびソロになったイアンはアメリカに移住し、エレクトラ・レコードと契約する。 『Some Days You Eat the Bear...Some Days the Bear Eats You』という長いタイトルのアルバムは、エレクトラから発表された'74年の作品であり、彼のキャリアの中でも最良の一枚である。 「Ol'55」は、その冒頭をかざるナンバーだ。 この曲の作者はトム・ウェイツ。名盤のほまれも高い彼の1stアルバム『Closeing Time』('73年)に収録されている名バラードで、同時期にイーグルスがカバーしたことでも知られる曲だ。 先の文章には「シンガー・ソングライター」と書いたが、イアンは自分で積極的に作曲をするタイプではなく、他人の埋もれた名曲を探し出し、自分流の"うた"として聴かせることを得意としていた。 「Ol'55」も、そんな彼の資質が見事に生かされた名演といえる。 やわらかなピアノの音色、イアンのナイーヴでやさしい歌声がじんわりと染みこんでくる。 トム・ウェイツのオリジナルと比べて、ここでの演奏はいくぶんテンポ・アップされており、サウンド的にも洗練された印象を与える。 アクのないボーカル、まろやかなフォーク・ロック・サウンドはこの美しいメロディにぴたりとハマっていて、とても魅力的だ。 ジェフ・バクスター(※)によるペダル・スティール・ギターの音色も胸を打つ。 さわやかで、どこか憂いをふくんだイアンの多重録音コーラスも素晴らしい。 トム・ウェイツのオリジナルやイーグルスのバージョンも非常に良いが、ここで聴けるイアンの歌声が僕は大好きだ。 派手さはないが、彼の選曲センスと的確なアレンジが絶妙に結びついた逸品に仕上がっていると思う。 夜中にひとりで酒でも飲みながら聴きたい、深い味わいにみちた一曲です。 『Some Days You Eat the Bear...Some Days the Bear Eats You』は、ほかにも聴き所がいっぱいの名盤(くわしくはここを参照)。 イアン・マシューズという人は、グループ名義の作品をふくめて素晴らしいアルバムを数多く残しているのだが、日本での人気および知名度はかなり低いのが悲しい。 機会があれば聴いてみることをオススメします。 つーことで、イアン・マシューズ版「Ol'55」を聴くにはここをクリック! いつ聴いても癒されるねぇ(´ー`) ※ 元スティーリー・ダン→ドゥービー・ブラザーズのメンバー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.08.26 05:49:31
コメント(0) | コメントを書く
[70年代洋楽] カテゴリの最新記事
|