カテゴリ:どうあっても歴史に残る事
月曜日はいつも映画の日で入場料が安くなります。
で、プップクンが良い映画をやっているからと、その内容も考えず「オッペンハイマー」というタイトルの映画を見てきました・・・見てしまいました。 オッペンハイマーって名前は聞いたことがあるけど、誰だったっけ? 映画館は普段は5分の1も入っていないのですが、今日はどういう訳か4分の3以上の席が埋まっていました。 ふむふむ、こりゃぁ、良い映画に違いないと思って席について画面を見ているうちにあっ、あの人の話だ! 物理や化学なんて大嫌いだったし、黒板に書かれる数式も全然分からんわ。 しかしあの有名なアインシュタインが出て来ると嬉しくなりました。 彼は池の前でオッペンハイマーと何か楽しそうに話していましたが、突然厳しい顔になってその場を離れます。 居合わせた元原子力委員会委員長ルイス・ストラウス氏がアインシュタインに挨拶をしようとすると、彼は冷たく無視して通り過ぎてしまいます。 ストラウスはてっきりオッペンハイマーがアインシュタインに自分の悪口を言ったものと逆恨みしちゃうんですよね。 ということでストラウスはオッペンハイマーの信用を傷つけるためにさまざまな画策をしていきます。 圧倒されるものすごい音響が体を突き抜ける中、複雑な心境で最後まで見ました。 ニューメキシコのロスアラモスの原野で原爆の実験が成功し、手を打って喜ぶアメリカ人を見て何も知らないくそ野郎どもが、と声が出てしまいました。 でも思い出した。 ゲオルクさんのランク隊のバスがニューメキシコのアルバカーキに向かって走っていた時、このあたりがアメリカ合衆国の核兵器開発の中心になっていたことをコレッコのお兄さんのペーターが話していたんだっけ。 画面を見ながら、こんな何もない所をランク隊のバスは走っていたんだ。 冷房があったにも関わらず、バスの中の少年達は暑さと退屈さで参っていました。 するとバスの中では突然悪戯が始まって・・・・。 突然広島と長崎という言葉で我に返る。 トルーマンが画面に出て来る。 これで原爆が広島と長崎に落とされることが決まった。 その日本の場面は出ませんが、画面を見ている研究員たちが映し出される。 映画の観客も今は見なくてもみんなもう知っている光景なのです。 オッペンハイマーは自分の開発したものの現実を知る。 彼の開発をロシアに流したやつがいた・・・・。 画面はまた映画の初めの部分、池の前でオッペンハイマーがアインシュタインに会っている場面に戻っている。 アインシュタインは原爆の理論を考えたことをオッペンハイマーに楽しそうに話している。 そして、オッペンハイマーは絞り出す様な声で彼に言うのです。 「私はそれを作ってしまったのです」 楽しそうだったアインシュタインの顔色が急に変わり、険しい表情でふいにそこを去る。 二人の間にはストラウスのㇲの字も出て来たわけではなかった。 4分の3分の席の人達の殆どが、映画が終わってからもすぐに席から動こうとせず感慨に耽って思い詰めているようでした。 ロシアに原爆の秘密を渡した悪魔がいたことを改めて知り、私は第3次世界大戦が近づいているような気分で映画館から出ました。 若い人には見てもらいたい映画です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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