カテゴリ:kill time
”定期的セルフメンテナンス”の帰り道、思いがけず”花道”を通った。
それは、地域のPTA達が自宅やマンションの門前に立ち、 下校時の子どもたちを見守るというもの。 連日のメディアからの情報は耳を覆いたくなることばかりで、 笑顔であいさつを交わす彼らを微笑ましい気持ちでばかりは見られなかったけれども、 ”自分たちの地域の安全は私達の手に”という強い意志からは とても温かい安心感が伝わり、少しだけココロも軽くなった帰途。 そして翌日、仕事の合間にお邪魔した義父母宅の新聞で、 まさに目にしたことが記事となっていて、思わぬ”再会”を果たす。 子どもたちを守れ:緊急報告by:毎日新聞 この事件、ワタシが結婚してこちらに来ることを決めた頃起こったもので、 記憶にも残っている。それから8年、この取り組みが続いているという。 ***** この時のワタシは13歳。 スクールバスの定員の都合で、小学校5年生からは片道1.5hの通学路を歩いて通うのが慣わし。自転車使用は、以前に起きた事故が元で禁止という状況。その道程は所々に集落やゴルフ場が存在するけれども、民家がないところが大半を占めていた。 中学生ともなると、部活の朝練や放課後の部活と合わせて、日々の運動量はかなりのものになる毎日を送っていた。 いつものように、親友とふたり部活を終えての帰り道で反対側から走ってきた大型のモトクロスバイクの男性に道を訪ねられた。 「まっすぐ道なりに走って、T字路にあたったら右折です。」 こんな簡単な説明を、男は何度も聞き返した。 そして、しまいには「ノートに地図を書いてくれないか」と言い出した。 今よりも数百倍も純朴だったワタシ達は、部活で既にへとへとだったにもかかわらず、リクエストに応じ、鞄からまだ4線の引かれている英語のノートを取りだし、何とも簡単な地図を書き男に手渡した。 その途端、 「ギャ~!!」 ワタシの悲鳴を聞いて、親友はヘナヘナと腰を抜かして座り込んでしまった。 あろうことか、男の手はワタシの左胸をわしづかみにしていたのだ。まだ発達途中だというのに。。 ワ:「何すんのよ!」 男:「ごめん、ごめん」 ワ:「いいから、早く行ってよ!」 男:「分かった分かった。でも、もう一回!」 年の頃は20代後半、いい年した男が中学生を相手に、制服越しの胸タッチを哀願する姿は、客観的に見たらどう映るのだろうなんて、今は思えたりするけれど、その時は、これ以上パニックにならないように、心を静めることで精一杯だった。 ワ:「ふざけるな!!早く行ってよ!」 男が行くべき方向を指さして、大声で叫んだ。 男:「分かったよ。行くよ。」 そういいながらも、 男:「お願い!」 と再度言う男に、 ワ:「いいかげんにしてよ!!」 ようやく男がバイクに跨るのを見ながら、手にした英語のノートがワタシに語りかけてくれた。”単語を覚えるときには、書きながら、声を出すんだよ” ワ:「早く行って!ナンバー覚えてやる!」 座り込んだままの親友に目配せして、走り去るバイクのナンバーを読み上げた。 男が走り去った後は、ふたりで手をつなぎ、泣きながら帰った。 久々においおいと泣きながら、恐怖を振り払うかのように、大声で歌を歌いながら。 途中ですれ違った近所のおじさんの車に拾われ、家に帰り、警察にも通報。 後日、中学校まで迎えに来た覆面パトカーに乗せられ、マジックミラー越しの”面通し”を果たす。 ふたりで、指さしながら 「あの人です。」 と言い放てたときは、嬉しかった。 そして、今のワタシ。 あの日、空に叫んだバイクのナンバーは、くっきりはっきりと刻まれたまま。 「た○さのいちななごおろく~!!」 この話をして、笑い話になることが多いのだけれど、心底、”あれだけで済んで良かった”と思うばかり。 現在は、少子化の影響で小学生はスクールバス通学をしているようだけれど、部活のある中学生は対象外だとか。どんな対策を講じているのか、ちょっと心配。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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