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テーマ:海外生活(7779)
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ドラゴン国には、路面電車=トラムが走っている。
料金はどこまで乗っても2ドル=30円 先日、そのトラムに乗った時のこと。 ベッキーとウエンツをおんぶした私とで乗った。 前にノロノロ歩くお婆さんがいて、危ないなぁ・・・と思っていた。 先にお婆さんが乗り、私たちが後から続いた。 その駅で乗ったのはおばあさんと私たちだけ。 そしていつものことなんだけど、トラムは急に発進するから 気をつけなくちゃ。。。と思った矢先に急発進。 私とベッキーは「おっとっと・・・」と2-3歩よろけてしまった。 ベッキー大丈夫だったかな?と振り返ろうとしたその時 もっと後ろから「うわ~、アイヤ~」みたいな大声が聞こえてきた。 そのお婆さんだった。 お婆さんも私たちと同様よろけてしまい、ドスンと尻もちをついてしまった様子。 しかもそのお婆さんは、ただでさえ杖をついてノロノロ歩くくらいだから 絶対に足が悪いはず。 そして転んだんだから そうとうなダメージを受けたようで、それで大声を出してかなりつらそうな感じだった。 近くの若者男女がお婆さんの様子を見にわざわざ後ろに来た。 みんなドラゴン語で話している。 誰かがお婆さんの持っていた荷物を受け取り、脇に寄せた。 誰かが携帯を取り出しどこかに電話した。 若者(男)が「お婆さん、立てる?」みたいなことを言っていて、お婆さんは首を横に振っていた。 私はドラゴン語、全く分からない。 英語で「Are you OK?」なんて話しかけたところで きっとお婆さんは英語どころじゃないだろう。 何かしてあげたい、でも私ができそうなことはもう何もなさ気な感じ。 後ろにウエンツをおんぶし、小さなベッキーの手をつかんでいる私は ただ茫然とその様子を見ることしかできなかった。 トラムはそんな私たちを乗せ、ひと駅(500メートルくらい?)進んで次の駅で止まった。 次の駅で待っている何も知らない人たちは、入口付近で足止めを食らう。 お婆さんがドスンと座り、若者(男の子)がお婆さんに話しかけてるため 私たちもその先には進めず、あとから来た人も乗りこめないからだ。 誰かがその若者に「少しどいてくれないと後ろの人が進めないよ」 みたいなことを言ったんだと思う、たぶん。 そして少しどけてくれたから私たちが先に進み(そのお婆さんの脚をまたぐ形になってしまった)、後ろの人たちも乗れた。 と言っても、もう引き返す人もいたし、乗らないで諦めた人もいた。 私とベッキーはとりあえず中に進み、座席に座ってみた。 何かできることあるか?そう考えても何もすることなさそう。 運転手も携帯でどこかと連絡し合っている。 多分この先、このトラムはしばらくここで止まってるだろう・・・ そう思った。 何かしてあげたくても何もできない。 何もできない私たちはそこにいる必要もない・・・ そう思い、私たちはそのトラムから降りた。 何かしてあげられることは本当になかったのだろうか? そういう気持ちに後ろ髪引かれながら降りた。。。 よく考えるとトラムって単線。 あのトラムが進まなければ次のトラムがその後ろにつまり しばらくあの路線は動かないんじゃないか?そんな疑問が頭をよぎる。 しばらく歩くと救急車がそちら方向に進んで行った。 その後ろに白バイっぽい警察が行った。 きっとあのトラムの件で出動したんだろう・・ 現場の証言、目撃者としてやはり私はあそこにいたほうが良かったのだろうか? そうかもしれない・・・ あー、なんか自分の無力と、これで本当に良かったのだろうか?という 後悔の念が心に押し寄せる。 次のトラムの駅には何も知らない人たちが わんさかと、駅からあふれるくらいトラムを待っていた。 やっぱり、あのトラムが進まないとその後ろのトラムも進めないんだ… その後しばらくして、トラムが動き出したようで 3-4台立て続けに駅に向かう様子が見えた。 あのお婆さんはきっとあの救急車で病院に運ばれたんだろう。。。 あの若者たちは警察でいろいろ聞かれたのかな? 運転手も警察に連れていかれたのかな? あぁ・・・ 自分が何もしてあげられなかったことが悔しい。 というか、声くらい英語でも良いからかけてあげればよかった。 私がしたことは何もない。 ただ茫然とその様子を見ていただけ。 そんな自分にものすごく腹が立った。 「私ができることが何もなかった」と言うのは私の言い訳。 「小さな子供二人連れた外国人はそこにいても何もすることない、いるだけ邪魔かもしれない」と思ったのは その場を離れるための単なる言い逃れ。 私ができたこと、何かあったはず。 何かあったのにしなかったのは、この私… そんな自分が本当に情けない。 もしまた、同じようなことが起こったら 誰かが倒れたりとかそんな現場に出くわしたら 今度は絶対に何かしてあげよう。 救急車の番号分からなくても 他の人に「アンビュランス、プリーズ」と言うことはできる。 何かしてあげよう、何かしてあげよう・・・ そんなことを強く思った出来事でした。 それにしてもドラゴン国の若者は本当に優しい。 さっそうと前の席からお婆さんの所にやってきて あれやこれやとやっていた若者(男)の姿が本当に眩しかった。 私はああいう人間になりたい。 困った人を率先して助ける人になりたい。 かっこいいよ、若者… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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