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ぽたぞう ドラゴン日記

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はりい ぽたぞう

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July 2, 2008
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テーマ:海外生活(7779)
カテゴリ:カテゴリ未分類
ドラゴン国には、路面電車=トラムが走っている。

料金はどこまで乗っても2ドル=30円

先日、そのトラムに乗った時のこと。

ベッキーとウエンツをおんぶした私とで乗った。

前にノロノロ歩くお婆さんがいて、危ないなぁ・・・と思っていた。


先にお婆さんが乗り、私たちが後から続いた。

その駅で乗ったのはおばあさんと私たちだけ。


そしていつものことなんだけど、トラムは急に発進するから

気をつけなくちゃ。。。と思った矢先に急発進。

私とベッキーは「おっとっと・・・」と2-3歩よろけてしまった。


ベッキー大丈夫だったかな?と振り返ろうとしたその時

もっと後ろから「うわ~、アイヤ~」みたいな大声が聞こえてきた。


そのお婆さんだった。

お婆さんも私たちと同様よろけてしまい、ドスンと尻もちをついてしまった様子。

しかもそのお婆さんは、ただでさえ杖をついてノロノロ歩くくらいだから

絶対に足が悪いはず。 そして転んだんだから

そうとうなダメージを受けたようで、それで大声を出してかなりつらそうな感じだった。


近くの若者男女がお婆さんの様子を見にわざわざ後ろに来た。

みんなドラゴン語で話している。

誰かがお婆さんの持っていた荷物を受け取り、脇に寄せた。

誰かが携帯を取り出しどこかに電話した。

若者(男)が「お婆さん、立てる?」みたいなことを言っていて、お婆さんは首を横に振っていた。


私はドラゴン語、全く分からない。

英語で「Are you OK?」なんて話しかけたところで

きっとお婆さんは英語どころじゃないだろう。


何かしてあげたい、でも私ができそうなことはもう何もなさ気な感じ。

後ろにウエンツをおんぶし、小さなベッキーの手をつかんでいる私は

ただ茫然とその様子を見ることしかできなかった。


トラムはそんな私たちを乗せ、ひと駅(500メートルくらい?)進んで次の駅で止まった。



次の駅で待っている何も知らない人たちは、入口付近で足止めを食らう。

お婆さんがドスンと座り、若者(男の子)がお婆さんに話しかけてるため

私たちもその先には進めず、あとから来た人も乗りこめないからだ。


誰かがその若者に「少しどいてくれないと後ろの人が進めないよ」

みたいなことを言ったんだと思う、たぶん。


そして少しどけてくれたから私たちが先に進み(そのお婆さんの脚をまたぐ形になってしまった)、後ろの人たちも乗れた。


と言っても、もう引き返す人もいたし、乗らないで諦めた人もいた。

私とベッキーはとりあえず中に進み、座席に座ってみた。


何かできることあるか?そう考えても何もすることなさそう。

運転手も携帯でどこかと連絡し合っている。



多分この先、このトラムはしばらくここで止まってるだろう・・・

そう思った。

何かしてあげたくても何もできない。

何もできない私たちはそこにいる必要もない・・・


そう思い、私たちはそのトラムから降りた。

何かしてあげられることは本当になかったのだろうか?

そういう気持ちに後ろ髪引かれながら降りた。。。



よく考えるとトラムって単線。

あのトラムが進まなければ次のトラムがその後ろにつまり

しばらくあの路線は動かないんじゃないか?そんな疑問が頭をよぎる。


しばらく歩くと救急車がそちら方向に進んで行った。

その後ろに白バイっぽい警察が行った。

きっとあのトラムの件で出動したんだろう・・


現場の証言、目撃者としてやはり私はあそこにいたほうが良かったのだろうか?

そうかもしれない・・・

あー、なんか自分の無力と、これで本当に良かったのだろうか?という

後悔の念が心に押し寄せる。



次のトラムの駅には何も知らない人たちが

わんさかと、駅からあふれるくらいトラムを待っていた。

やっぱり、あのトラムが進まないとその後ろのトラムも進めないんだ…



その後しばらくして、トラムが動き出したようで

3-4台立て続けに駅に向かう様子が見えた。


あのお婆さんはきっとあの救急車で病院に運ばれたんだろう。。。

あの若者たちは警察でいろいろ聞かれたのかな?

運転手も警察に連れていかれたのかな?


あぁ・・・ 自分が何もしてあげられなかったことが悔しい。

というか、声くらい英語でも良いからかけてあげればよかった。

私がしたことは何もない。

ただ茫然とその様子を見ていただけ。

そんな自分にものすごく腹が立った。

「私ができることが何もなかった」と言うのは私の言い訳。

「小さな子供二人連れた外国人はそこにいても何もすることない、いるだけ邪魔かもしれない」と思ったのは

その場を離れるための単なる言い逃れ。


私ができたこと、何かあったはず。

何かあったのにしなかったのは、この私…


そんな自分が本当に情けない。



もしまた、同じようなことが起こったら

誰かが倒れたりとかそんな現場に出くわしたら

今度は絶対に何かしてあげよう。

救急車の番号分からなくても

他の人に「アンビュランス、プリーズ」と言うことはできる。

何かしてあげよう、何かしてあげよう・・・



そんなことを強く思った出来事でした。


それにしてもドラゴン国の若者は本当に優しい。

さっそうと前の席からお婆さんの所にやってきて

あれやこれやとやっていた若者(男)の姿が本当に眩しかった。


私はああいう人間になりたい。

困った人を率先して助ける人になりたい。

かっこいいよ、若者…








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Last updated  July 2, 2008 11:37:55 AM
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