「四苦八苦」
この「苦諦(くたい)」を詳細に更に分類したのが、有名な、「四苦八苦」です。「生老病死」の四つの苦、そしてさらに「怨憎会苦」(おんぞうえく)「いやな人、憎しみあっている人と会わなければならない苦しみ」「愛別離苦」(あいべつりく)「愛するものと別れる苦しみ」「求不得苦」(ぐふとっく)「求めても、求めても得られない苦しみ」「五蘊盛苦」(ごうんじょうく)「肉体煩悩が燃え盛ってどうしようもない苦しみ」の4つの苦しみを合わせて八苦とします。僕の20代の頃の苦しみを、この四苦八苦に当てはめてみると…「生」の苦しみ、 うつ状態のとき、こんなに苦しいのなら、生まれてこなけばよかったと思いましたね。「老」の苦しみ、これは、若いせいもあり、あてはまりませんでしたが、年々年老いていく苦しみもあります。(最近少し、感じ始めていますが..)「病」の苦しみ、そのころは、心の病そのものの苦しみもありましたし、肉体的には、慢性の胃炎、十二指腸潰瘍で、夜寝る前などは特に痛い思いをしていましたし、最終的に、そのストレスは、椎間板ヘルニアとなって、立ち上がれずに、入院したこともありました。「死」の苦しみ、うつになると、自殺願望が強くなるといいますけど、僕も、高いところにいると、飛び降りたい衝動にかられたものでした。しかし、「死」ほど恐ろしいものはありませんでした。それから、「怨憎会苦」(おんぞうえく)「いやな人、憎しみあっている人と会わなければならない苦しみ」彼女とうまくいかなくなって、次第に怒りや憎しみが込み上げるようになりました。それでも、会わなけれはならない状況も続きました。いわゆる社内恋愛ですね。心の葛藤を隠して仕事をしなければならない...そして、言葉を交わしても、どろどろの泥仕合がはじまるだけでした。「愛別離苦」(あいべつりく)「愛するものと別れる苦しみ」彼女とうまく行かなくなって,最終的に別れるとき、引き剥がされるようにつらかったですね。「求不得苦」(ぐふとっく)「求めても、求めても得られない苦しみ」それでも、好きで好きでたまらないのですね。会いたくて、一緒にいてくれないと駄目になる...そんな状態でした。「五蘊盛苦」(ごうんじょうく)「肉体煩悩が燃え盛ってどうしようもない苦しみ」そして、その恋愛感情と性的欲求が結びついて、気が狂いそうな苦しみを生みました。これ、まさしく「執着」=とらわれの心なのです。握っている手を放せば楽になるのに放せない...「アルジェリアの猿」状態なのです。今振り返れば、僕が愛すべき人は今の最愛の伴侶でありますし、そのときだって、その彼女でなくても、他に素晴らしい女性もいたのに..だめなんですね。つかんだ手が離せないのです。これは、僕の恋愛をもとにした説明ですけど、皆さんの苦しみの状態を、この四苦八苦にあてはめてみてください。おそらく、なんらか心当たりがあるのではないかと思います。アダルトチルドレン問題に立ち戻って、その苦しみを、「四苦八苦」にあてはめて考えてみると、「インナーチャイルド」の苦しみとは、主には、「求不得苦」(ぐふとっく)「求めても、求めても得られない苦しみ」になるのかなぁとも思います。理想的な両親や家庭環境を、求めても、求めても得られない…苦しいですね…まさしく、「求不得苦」(ぐふとっく)…だろうと思います。