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カテゴリ:私の音楽館
朝っぱらから申し訳ないが,歌や音楽がお好きな方は雑稿にお付き合いをいただければ幸いである。もちろん,ピーターの話ではない(我ながら古いねえ)。
私の音楽の嗜好は,結局のところ亡き母によって方向付けられたと言って過言ではない。母は生前細々とではあるがピアノの講師をしていて,その教え子のひとりに元RCCアナウンサーの楢崎仁美さんがいる。まあそれはさておき。結局のところ母は,音を外さないとかちゃんと声が出ているとかいうのは当然の前提で,声に色艶があるか,そして歌やステージングに華があるかというところを見ていたのだと思うし,私もその影響を受けている。だから,いかに名が通った歌い手でも聞くに堪えないような歌には採点が辛くなるし,ましてや人前で口パクでしかパフォーマンスできないのなんて論外の外である(ただしPerfumeは許す)。母などもっと採点が辛くて,松田聖子のデビュー当時なんてテレビで出るたびに「下手くそ」と言っていたし,二十年くらい前に五木ひろしがテレビで唄っているのを見て「五木ひろしも駄目になった」と言ったものである。 もちろん松田聖子と五木ひろしの名誉のために言っておくと,松田聖子だってデビュー前に平尾昌晃のレッスンを受けていたわけであって,別に聞くに堪えないような歌ではないし,五木ひろしもその当時五十路を越えていたから,デビュー当時のドスのある声が出なくなって当然である。ただ,松田聖子の初期の歌い方はいかにも荒削りで確かにただ元気に歌ってますという感じだったし,やがて喉を酷使して声がか細くなるという致命的弱点を抱えてしまう。それを捉えてのものかどうかは,もう確かめようがないので分からない。 さて,じゃあ何を持って歌の巧拙を判断するのか。これを語り出すと意外に難しい。ただし声楽や楽器をされている方とかクラシックをたしなまれている方にいわせればそんなの簡単だ,ちゃんと「歌う」んだよと言う答えになるだろうが,それをそうでない人に説明するのは難しい。敢えて語り下すとするならば,感情の起伏,うれしいところや哀しいところ,泣くべきところや嗤うべきところ,艶っぽいところやそうでないところをいかに聞かせるかということに尽きるのではないかと思う。これだって,説明で説明しているようなもので説明になってないのだが。まあ,結局のところは,古今東西を問わずいろんな曲を聴いてみるしかないのかなと思う。 こんなところで出す歌の例として適切かどうかは分からないが,アニソンを通り越して女性歌手のレパートリィのひとつになった前川陽子さんの「キューティーハニー」がある。この歌,前川陽子さんのオリジナルを聞いてみれば分かるのだが,実にいろんな技巧が繰り広げられている難曲だ。ただ艶っぽく歌うだけなら零点と言ってよい。倖田來未は色気と勢いだけで突き抜けてそれはそれでよいのだが,歌唱としては赤点だと思う。いや,あーりんの独自の世界で突き抜けている佐々木彩夏版もあって,これはこれで納得させてしまうだけのものがあるので,歌の奥は深い。 然るに,歌の巧拙を語るとたぶん百人百様の見解があって,たぶん通説はない。たぶんビートルズとクイーンとエルビスのファンでは見解が異なるだろうし,五木ひろしと森進一のファンでもそうだろう。だいたいクラシックとひとくくりにされているジャンルでさえバロック党と古典派党とロマン派党と近代音楽党と現代音楽党の間には,高い壁か深い溝が存在し,さらに作曲家ごとに同様の壁と溝が存在するのである。私のようなにわかなんでもクラシック党は航空機で超えてしまうのだが。 しかしである。歌がうまければ何でもいいかといわれれば必ずしもそうではないのが,またこの世界をCHAOSに導いているところなのである。これも適切な例かどうかは分からないが,「それ行けカープ」を一流のオペラ歌手が,その世界観を無視して単に朗々と歌ったところで,感動が生まれるだろうか。さらに曰く,「燃えよドラゴンズ!」を一番多くリリースしているのはいうまでもなく水木一郎アニキなのであるが,ひとつのヴァージョンとして一番多く売ったのはおそらくバンちゃんだろう。さらにいえば,南利明ヴァージョンもあって(燃えよドラゴンズV2!),味のある歌唱で実によい。 ここから先に足を進めると,本当に今日中に出られそうにないので,引き返すこととする。また気が向いたら書いてみたい。 え?今日の標題と内容のどこが連関するかって? 実は昨晩おそらくは心身の不調から一睡も出来ず,夜通し音楽を聴いていた。その間のぼんやりとした思索をまとめたからである。 考えれば考えるほど奥が深い。 BlogPeopleSIGMA People お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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パティスタ、ありがとうだぜ。
パティスタ、最強屈強だぜ。俺の誇りだぜ。 要するに、カープアカデミーが、最強屈強NO1なんだぜ。 ウンコ原、ウンコ丸、八百長犯罪ウンコ集団、ざまあみやがれだぜ。 明日は、テメーら全員、モグラ日本刀突き刺しで、処刑して殺るぜ。 死ねー、死ねー、死ねーだぜ。行くぜー。 イーチ、ニー、サン、ウヒャヒャーだぜ。 イーチ、ニー、サン、ダァーだぜ。 (2019/05/04 07:44:05 PM)
絶対音感の不幸
絶対音感とは、他の音と比べなくても実際きこえた音の音名が分かることです。全人口の0,2~0,5%が絶対音感の持ち主と言われています。主に音大やプロのクラシック演奏家を目指す人が訓練を受け、70%は落伍しているでしょう。その訓練は6才未満で受けないと効果はゼロです。 訓練の内容は、ピアノ、リトミック(リズムを学ぶ)、ソルフェージュ(楽譜に記された音楽と、実際の音楽を結びつける勉強)の3本柱、他諸々。 自分は音楽家になる夢はなかったものの、ピアニストである祖父の影響で音楽に興味を持ち、2才からピアノを弾き始めると同時に絶対音感取得の教室に通ってました。プロの演奏家になる人が絶対音感を身に付ければ絶大な武器になるけれど、自分のようにそうじゃない者が偶然に身に付けてしまうと不幸です。 まず、日本のテレビに出ている歌謡曲の歌手、Jポップの演奏は9分9厘音が微妙にずれていますので、自分が持つ絶対音感に変換しないと聴けません。 カラオケの付き合いはNGです(笑)。発狂しちゃいます(笑)。 アマチュア演奏会のお付き合いも無理ですね。 超一流と言われているクラシックのオーケストラやオペラでも、80%は自分の中の絶対音感に合致しません。事例を挙げればキリがありませんが、音楽好きでありながら、絶対音感のせいで僅かにズレた音でも受け付けない。これは不幸と言うしかありません。現代のピアノのピッチは443ヘルツが基準ですが、指揮者や演奏者の好みで441だったり445と高めだったり。またメーカーによっても微妙な相違がありスタンウエィ、シンメイ、ヤマハ、カワイそれぞれ音の硬さ・柔らかさの特徴を持たせ差別化を図っています。絶対音感の持ち主は、微妙なピッチの相違もメーカーも全部当てることができます。おそらく、相対音感取得レベルでは、そういった超微妙な相違は判別できません。それが普通なんです。 バイオリニストの五嶋みどりは絶対音感が原因で、一時精神を病んでいました。 超一流のプロの音楽家は、妥協しない変人が多いですね(笑)。そりゃ当たり前です。全人口の0,01%なんだから普通であるわけがない。自分は一流の人間からかけ離れていますが、絶対音感を取得したがために、非常識な変人の部類に入るでしょう。だって、歌唱コンクールで優勝したプロのオペラ歌手に向かって、8小節めの「ラ」の音、下方に1/4音ズレてましたね、と指摘してしまい祝福ムードをぶち壊した前歴があります。だから音楽家でもない者が、絶対音感なんかを取得しちゃうと不幸になります。ハズレた音に我慢ならないのです。一種の病気ですね。 まあこんな感じで、かなり「普通」からズレた音楽観の持ち主ですが、邦楽や歌謡曲にもトライしてます。篳篥(雅楽の笛)を吹きますし、エレキチェロで山口百恵のプレイバックPart2を弾いたり、絶対音感有志5名で与作をアカペラで歌ったりしてます。まあ、凶人の演奏を聴く人たちは、えらい災難ですけどね。自己満を押しつけてナンボです(笑)。 音楽観が同じような連中ばかりと群れていたら、新しい音との出会いを逃すことになります。 家庭の事情で、邦楽・歌謡曲に馴染みが薄いですけど、管理人さんの音楽談義を読み、五木ひろしがどんな曲を歌っているのか調べ「契り」をチョイスしました。ロックバンド用とアカペラ用の2種類編曲し、練習をササッと済ませ、さっそく明日披露することになりました。 (2019/05/05 04:14:48 AM) |