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2013/12/10(火)01:10

『江戸前の釣り』を読む

教授の読書日記(1114)

 現実逃避というのか、忙しい時ほどついつい仕事と関係ない本が読みたくなるワタクシ。そんな私が最近逃避先にしているのが『江戸前の釣り』(中公文庫)という本。 これこれ!  ↓ 【送料無料】江戸前の釣り [ 三遊亭金馬(3代目) ]価格:800円(税込、送料込)  落語家の三遊亭金馬さんが、好きな釣りのことを語った本なのですが、これがなかなか渋くて、夜寝る前の5分、10分という半端な時間に読むにはピッタリ!  江戸前の釣りと言っても、海釣りのことばかりではなく、例えば富士五湖辺りでのワカサギ釣りとか、そういう湖・川での釣りの話も多いのですが、川釣りにしても、鮎釣りとか、そういう「いかにも」なものではなく、ハヤとかヤマベとか、人によっては「子供向けの釣り」と馬鹿にしそうな魚を対象にした釣りの話も多く、また関東の人間しか相手にしないタナゴ釣りの話など、『江戸前の釣り』というタイトルに恥じない釣りの話なんかもあって、なかなか面白い。  私も子供の頃の一時期、川釣りに凝ったことがあるので、釣りの話にはかなり対応できるのですが、釣り好きじゃないと分からない釣り用語(例えば「キジ」とか「サシ」とかね)なんかが出てくると、昔釣りの凝った頃のことが思い出されて、非常に懐かしい。  それにしても、この本を読みながら思うのは、最近、釣りの話をあまり聞かないなあ、ということ。まあ、洋モノの洒落た釣り、フライ・フィッシングとかルアー・フィッシングでマスやバスを狙うとか、そういうのはたまに聞きますけど、冬場、湖が凍ったというニュースを聞くと、ワカサギの穴釣りがしたくて居ても立ってもいられない、とか、そんな人が近しい同僚の中に居ないもんね。  っていうか、最近、湖は凍らないのかな? 冬に山中湖とか行っても、穴釣りが出来るほど全面に氷が張ったところなんか見たことないもんなあ。  そういう意味で、釣りというのは、大層特殊なものになってしまって、ごく普通の大人の娯楽としては、大分存在が薄くなった感がありますな。  それだけに、高座に坐るより釣りが好き、という感じがヒシヒシと伝わってくる金馬さんの釣り談義なんてのは、ちょっと前のこの国の娯楽のありようを懐かしく伝えてくれるようで、なんかとってもいい感じです。  ってなわけで、昔釣りに凝ったことがあったけれど、最近は忙しくて・・・なんて方にはピッタリのこの本、教授のおすすめ! です。

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