天気はよく晴れ渡り、パリでの重い曇天がウソのよう。
陽の出から 日差しの勢いが違います。
昨日の移動疲れもあり、9:00過ぎにゆっくり出発。
ホテルは ドゥカラ門に近いところにあったので 西の方面から旧市街へ入り 探検の始まり。
モロッコに来てからというもの 東洋人にはほとんど会っておらず、マラケシュに来てからは 珍しい日本人に 好奇の視線を感じるわ。
片側3車線の新市街の大通りとは違って 幅3mほどの狭い道を クルマもロバもたくさんの人々も行き交う。
その両側には 食料のほか ストールやバブーシュと呼ばれる革靴や 陶器・彫金など いろいろなものを売る店が 所狭しと商品を並べている。
スークの道は奥へ行くほど細く イレギュラーに曲がっていて フェズほどではないらしいけど 迷路みたい。
さらに 細い通路の上に筵をかぶせてあったりして 薄暗さの間からこぼれる天使のハシゴも いい。
なんか 久保田早紀の‘異邦人’って感じね。
でも 普段あまり人ごみを歩くことのない姫は 多少面食らった様子。
時々迷いながらも ゆるい坂道を登って 30分ほどで《マラケシュ博物館》に到着。
ここは 100年以上前に宮殿として建てられ その後女子高としても使われた建物らしい。
細かなタイルと燻したような彫金の細工が いかにもモロッコらしく、非常に美しい。
その後 スーク内の食堂で 楽しみにしていたタジン鍋。
独特のスパイス感はあるものの ほとんど辛味はなく 日本人の口にも合うわね。
タジンのほかには たっぷりの野菜をさいの目に切った モロカンサラダ。
サラダ大好きなカピタンの 超オススメ品です。
あと 値段にはカウントされず食べ放題の 薄焼きパンが山盛り。
クスクスも楽しみにしていたのだけど、これはイスラムの神事に関わる食べ物で、普通は金曜の昼にしか出されないのですって。
4人がお腹いっぱいになるほど食べて110DH(およそ¥1,700)。
フランスでの外食は 毎回それなりにかかったのに比べ、この安さはウレシイ。
ランチ後は腹ごなしにさらに歩き ジャマ・エル・フナ広場へ。
夜は人手ごった返すと言うこの広場も お天道様の高いこの時間では 屋台も少なめ。
目立つのは 絞りたて生ジュースと ヘナで絵を描いてくれるお姉さん達と 蛇使いが一組。
それと 派手な衣装の水売りかな。
極彩色の羽飾りと 金ピカのカップが華やかな水売りは 昔ながら(?)の革袋にたっぷりの水を入れて、それを1カップずつ売っているみたい。
ネイティブほど胃腸に自身がないので これはパス。
でも 随分気温が上がって 喉も渇いてきたので、3DH(およそ¥50)のオレンジジュースと 10DHのグレープフルーツジュースを頂くことに。
特別冷えてはいなかったけど、味の濃いモロカンフルーツは ホントに美味しい!
さっぱりしたところで 今度はバイア宮殿へ。
ここは現在も時々使っているらしく さっきの博物館よりキレイで さらに広い。
でもまぁ 細かいところを見ると 結構タイル剥がれや破損も多く、つくりの細かさの割りにメンテナンスの悪いところが ちょっとモロッコ風。
今日は姫も びっくりするほどよく歩いたので 帰りはご褒美に馬車で帰宅。
実は馬車の交渉も モロッコ式だったばかりに たっぷり時間がかかり、最終的には言い値の半額100DH。
値段の書いてあるスーパー以外、何をするにもいちいち交渉というのが、明朗会計に慣れているワタシたちにとってはかなり面倒くさい。
地元の相場よりは まだちと高いかもしれないけれど、お互い‘コレくらいならいいかぁ’と妥協できるラインが落としどころ。
ホテルに着くと 夜の賑やかなスークを楽しむために まずはお昼寝。
…と思ったのに、2時間ぐっすり寝たのに 姫は声をかけてもゆすっても 白目を剥いたまま。
起きそうな気配はまったく見られず、ダーリンも疲れが出ているというので そのまま大人しくホテルで夕食を取ることに。