カテゴリ:日々の生活
朝、庭に出ると、疲れきった表情のニーナがいた。
『あ、こいつ寝てないなー。』というのが、すぐ分かる。 何が原因か探らなくてはいけない。 ニーナの誘導のもと、庭の隅っこにいくと、『にゃー、にゃー』 と、小さな可愛らしい声が聞こえて来た。 ニーナは、この存在が気になって、一晩中パトロールを続けていたのだ。 アンソニーに報告すると、『昨日、大きなネコが、隅から飛び出して行くのが見えた。メスネコだったら、あそこで子猫を生んだら困るなーって思っていたんだ』との返事が返って来た。 庭の隅っこには、スプリンクラーがあり、その機械を保護するように、犬小屋を小さくしたようなものが被さっている。 音の主は、その中にいる。 アンソニーと恐る恐るその小屋を取り除くと、一匹の子猫がいた。 メスネコだった。 ニーナを飼うまでは、ずーっと何匹ものネコを飼っていたネコ博士のアンソニーによると、 ・生後2週間位 ・栄養状態は良い ・母ネコは、飼い猫で、ノミ対策をうけているようだ(子猫には一匹のノミもついていなかった) ・今いる状況が悪くなったので、子猫をつれて別の場所に来た ・他の兄弟もつれて来るはずだったが、途中でニーナに見つかり断念したのだろう と言うことだった。 母ネコは、ニーナが怖くて、小屋に近づけず、ミルクも与えられず、放置してしまったらしい。 子猫は、空腹からか、独りぼっちで怖いのか、甲高い声で『にゃー、にゃー』鳴き続けた。 アンソニーが、子猫を抱くと、ニーナが嫉妬する。 非常にきれいなネコだったので、アンソニーは家で飼いたかったようだ。 子猫とニーナを対面させてみたが、ニーナの嫉妬で、子猫が攻撃されるかもしれなかったので、断念した。 ニーナは、アンソニーが触れる動物は皆、敵と思っているから、、、 とりあえず、子猫を家に入れ、注射筒を使い、ミルクを与えた。 飲んだ事は飲んだのだが、まだまだ、母親のおっぱいが必要なようだ。 うまく飲めない。 我々だけでは、育てられないということも、分かった。 ミルクを飲んだら、アンソニーの肉厚の手のひらの上で、丸くなって寝始めた。 一晩中、眠れなかったのかもしれない。 暖かい手のひらで、すやすや寝ていた。 しばらくして起きると、アンソニーの腕づたいに這い始めた。 毛深い腕を母と思っているのか、アンソニーの腕をぺろぺろ舐め始めた。 大笑い。 あまりに甲高い声で鳴くので、アンソニーが『尿がでないのかな?』と、尿の出る部分をマッサージして、排尿を促してやると、おとなしくなった。(アンソニーの手の中で排尿完了) さすがネコ博士。 小さな箱に入れると、恋しがって鳴き始める。 アンソニーは家で仕事をしていたのだが、その声が気になって、集中出来ないようだ。 何回も、覗きに行っていたっけ。 夜、隣の家の庭に、子猫の入った箱を置かせてもらう事にした。 子猫の鳴き声を聞いて、母ネコが迎えにくるかもしれないからだ。 うちの庭に子猫の入った箱を置いたら、ニーナの攻撃を受けてしまう。 夜、お別れの前に、また2人の共同作業で、子猫にミルクを与えた。 『さようなら~』 アンソニーは一人で、隣の家に、子猫の入った箱を置きに行った。 ちょっと、寂しそう。 その後、夜中の3時まで、甲高い声で、 『にゃー、にゃー』鳴き続けていた。 可哀想だったけど、『母ネコが迎えに来てくれますように』と祈りながら寝た。 翌朝、子猫の姿はなかった。 隣の人も、朝早く、庭を探したが、どこにもいなかったと言っていた。 道路で、事故に遭った様子もない。 子猫は、まだほとんど歩けなかったし、何しろ、あの箱は、高さがあり、子猫一人では、到底越えられない。 我々は、絶対母ネコが、つれに来たのだと、確信している。 箱には、尿の後が、3カ所あったことを報告すると、アンソニーは『我々が与えた水分は十分だったんだね。』と言っていた。 なるほど。。。 なんだか、2人で寂しくなってしまった。 でも、家では、ニーナがいるので飼えない。 まだまだ、母ネコが必要なぐらい小さかった。 以上の事を考えると、これでよかったのだ。 今は、母ネコと一緒なのだ。 それが一番だ。 よかった。。。 いつかこの辺りで、また会えるだろうか? それにしても、可愛かったなあ~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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