吉川裕一のオーストラリア人に教えてもらった８つの生きるヒント

３６３ 冊目
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ノーマン・Ｖ・ピール
　　　　「積極的に考える」

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　本書が書かれたのは、１９５０年代のアメリカです。
　また、日本に翻訳されたのは、１９７０年代のこと。それがまた、２
００４年度に復刻改訂されて出版されました。



　積極的生き方のコツを述べた本書は、１２章からなります。

　今日は、そのなかの３つの章「力は静かな心から生まれる」「スロー
ダウンのすすめ」「人から好かれる秘訣」に焦点をあてて読み解いてい
きましょう。



　それでは、本書に訊く、３つの質問です。


質問１「心を穏やかにする考え方は？」
質問２「生活ペースを変える考え方は？」
質問３「尊敬と行為を与える考え方は？」


　それぞれ、詳しく見ていきます。




質問１「心を穏やかにする考え方は？」

答え「まず、心を空っぽにすることです。そのあと、健康的な考えで満
たしてあげます。」

～～～～～以下、本書より引用～～～～～

　心をからっぽにするというのは、あなたを悩ませている考えを全て心
から追い出してしまうということです。何かやったあとの後悔の念、他
の人から傷つけられてしまった精神的な苦痛、学校の成績が悪いこと、
不愉快でたまらないこと、などなど誰にも悩みはあるものです。こういっ
たことすべてを心から追い出してしまうのです。難しいと思うかもしれ
ません。けれども、そういった不愉快な記憶を意識的に無くしてしまお
うと努力すれば、わりと簡単にできるものなのです。

～～～～～以上、本書より引用～～～～～

　いきなり、積極的な考えで挑もうとしても、悩みや苦悩で頭がいっぱ
いだと入らないものです。まず、ネガティブな考えを頭の中から絞り出
してから積極的心を注ぎ込むのです。

　そして、その積極的なもので満たされた状態のまま、平静でいるのが
一番パワフルであると教えてくれています。



質問２「生活ペースを変える考え方は？」

答え「急がず落ち着いて生活すると決意する」

～～～～～以下、本書より引用～～～～～

　現代人の緊張を取り除くためには。まずあなた自身の生活速度をおと
すことから始めなければなりません。あなたの活動をスローダウンし、
心を静めるのです。興奮しないことです。怒らないことです。そしてゆっ
たりとするのです。その上で、あなたの中にわき出してくる静かな力に
注目するのです。

～～～～～以上、本書より引用～～～～～

　５０年以上前に書かれた本のなかに、（当時の）現代人は忙しすぎて
緊張のため人生を台無しにしているとあります。すると、２１世紀に生
きる私たちはどうなんでしょう？

　携帯電話が発達して、インターネット、メール、と２４時間情報に浸
かっている現代の日本人は、ラットレースに知らないままに取り込まれ
ています。

　自分で”ゆっくり生きると決める”このことを決断して実行しないと、
一生を忙しいままで終えることになるでしょうね。



質問３「尊敬と行為を与える考え方は？」

答え「他の人たちを素直に心から好きになる」

～～～～～以下、本書より引用～～～～～

　夜、ベッドに入る前に、その日に出会った人のリストをつくることで
す。たとえばバスの運転手とか、新しく赴任してきた先生というような
具合です。そして、リストに書き出した人たちの心の絵をつくり、それ
ぞれの顔を思い出しながら、優しい気持ちを持つのです。

～～～～～以上、本書より引用～～～～～

　誰かを素直に好きになるようにする方法を、ノーマンさんは幾つか教
えてくれています。上で引用した”その日会った人リスト”は、そのな
かでもとくに具体的で実践しやすいものだと思いました。

　一日一日の積み重ねが人を創っていくのですね。


～本書より得たもの
●平静な心は、パワーがある
●現代の生活は緊張のかたまり・・・意識してスローダウン
●人から好かれる・・・その日出合った人のリストをかく

～この本で一つ実行すること
●毎日１５分間の沈黙の時間をつくる


～お奨め度
★★★（積極的生き方の古典。成功哲学好きにお勧め）