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カテゴリ:イベント & 旅行記
2日目の夜は、居酒屋「根っこや」に行った。
「なにわ本店」も「BARくう」も「根っこや」もこのあと行く「BAR山小舎」も、The Whisky World松江編で紹介されていた店だ。そのまま回るのは芸がないようにも思えるが、組嶽さんが一生懸命考えただけあって、歩いて回れるベストコースなのである。 「根っこや」も壁際のカウンター席から大橋川の夜景が眺められる。メニューは豊富で、全国各地のおいしいものや地物の材料を使ってひと工夫ふた工夫してある料理が食欲をそそる。スタッフも元気はつらつとして好印象だし、わが町にも支店を出して欲しいなあと思っちゃうようなとても良い店だった。
組嶽酒造の「王禄三種飲み比べ」を注文した。
左から順番に、超辛口、80%精白(80%を残しているということ)、無濾過生酒である。 うまっ!超辛口は香りで飲ませる吟醸酒、80%精白は逆に酸味や甘みや旨みが濃厚な舌と喉で味わう酒だ。かといって重い感じはしない。無濾過生酒はとても滑らかな舌触りでマイルドなネクター。思い出しても唾が出る。 ついでに奥出雲ソーヴィニヨンブランもうまかった。 外は急に嵐になっていた。ピカッドドーンッ、波立つ大橋川が牙を光らせる。まるで、やまたのおろちが娘をさらいに来たようだ。歩くのは無理だ。タクシーで移動しよう。なんてったって松江のタクシーはまだ初乗り560円だから気軽に頼めちゃう。 車から降りて「BAR山小舎」に駆け込んだ。びっくりした。この嵐だというのに、10人掛けくらいのカウンターは満席で、テーブル席にもお客さんがいる。みんな嵐が去るのを山小舎で飲んで待とうというつもりか。 創業51年、30年くらい前にこの建物に引っ越してきたというが、木のテーブルやカウンターは創業当時からのものらしい。 オレンジを使ったカクテルが20%オフの日だというので、かみさんはカシスオレンジ、僕も安易にオレンジブロッサム。味も確かである。
カウンターのお客さんが2人帰った。しめた、とカウンターに移動する。左隣では常連の青年がモルトを飲み、右隣ではべろべろな酔っぱらい中年オヤジがサイドカーを飲んでいる。かみさんはミモザを飲み、僕はブラックブッシュを飲んだ。本当に山小屋で暖をとるような暖かい店だった。
古い店というのは、古いというだけで素晴らしい。この店は古いだけじゃない。祖父が始めた店を2代目が継ぎ、今はさらにその息子が店を任されている。三代続けて酒場をやっているのだ。地元の酒飲みや旅人に愛され、100年も200年も続く店だ。そんな気がする。このショットグラスも長く使われているのであろう。グラスのカットが出雲大社の本殿の千木(ちぎ)のように見えた。 行きたいBARは他にもたくさんあったのだが、神社巡りで疲れていたし、雷雨だし、なによりかみさんと一緒だったので、ホテルに戻ることにした。 山小舎での1時間も一瞬なら、2泊3日も一瞬であり、2000年だって一瞬である。松江には、生きている間に絶対にもう一度来たい、と思った。
ホントは他にも書きたいことはまだまだたくさんあるのですが、きりがないから出雲旅行記はこれで最終回にします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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