酔って車やバイクを運転したことは今までなかったし、そんなこと思いもしなかったのだが、自転車に乗ることはしばしばあった。
が、これもれっきとした飲酒運転・・・・そのことを身をもって知る出来事があった。

先週金曜日は旧知の仲間の集まりで大盛り上がり、終電もなんのその、何次会目かを終わって気付けば朝日がまぶしい時間になっていた。
始発から何本目かの電車で帰宅は無事に遂げたものの、その後がよくなかった。

ちょっとした用事を思い出し、歩いて行けないでもない所だったのだが、マウンテンバイクで乗り出してしまった。

そして道中、どういうわけか、蛇行したいという強烈な欲求に駆られた。
最近ちょぴっと上手くなったような気がするバイクでの直線パイロンスラロームを見立ててだったのかも知れない。

いずれにせよ、それでもまだ朝早く人通りの全く無い通りを、架空のパイロンを左右にいなしながら走っていたところ、もっとコマ目にやりたくなってきた。
ここで思わぬ落とし穴が・・・・

バイクにはハンドルストッパーがあって舵角は制限されるが、自転車の場合、そぅ90°以上余裕で切れちゃうのね。
タイトタ～ン、と思いっきりハンドルを切ったところ、予想外にハンドルが切れ込み、バランスを崩し、ものの見事に転倒した。

残った酒の影響で完全に反応が遅れ、左肩から地面に突っ込み、顔面左側も痛打した。
擦過傷を負ったことは直ぐに察知したが、打った顔面からしたたる血に"ヤバッ"と思い、でも、ちょっとの間動けなかった。

飲酒後のため血流はイイ、ので、中々イイ感じで血がたれてくる。
直ぐに帰宅し確認してみたが、左目下を1cmほど切っており、流血の合間に鮮やかな肉肉しいものが見え隠れしている。

とりあえず絆創膏を貼ってしばし睡眠。病院が開くのを待って診てもらいに行く。
思いっ切りインターンの新人女医さんで、その小奇麗さに嬉しさがある反面、その経験値に不安がある。

数年前、右手をザックリ切った際、プルプル震える手でグサグサと縫合してくれた新人女医さんが思い出されて仕方がなかった。

しかし今回、傷は、予想外に浅いものだと診断され、何やら医療テープとかいうヤツで止めればイイと言う。
が、問題はその後の発言。

「アスファルトくずや砂が入り込んでいますねぇ～ 洗いましょう。看護師さん、歯ブラシお願いします」


ハ・ブ・ラ・シ


滅菌パックからまんま歯ブラシを取り出した看護師を認めたが、その後は、悪い予感が的中しっぱなしだった。

ゴシゴシと、傷を負った場所を、その歯ブラシで擦っていく女医・・・・

悶絶し、言葉も出ず、もぅ、痛いのなんのって・・・・卒倒寸前・・・・

とってもしみる消毒液もまたキツイ

実際に擦られているのは表面だが、その痛みは頭蓋骨についている肉をこそげ取られているような感じだった。
テープやら絆創膏でベッタベタにされて帰宅すると、今度は、打撲したところがズンズン痛くなってくる。

酔って自転車には乗るまいと誓うに十分な痛みを負った土曜日の朝だった。
折角遠方から来た友人との予定をキャンセルし、ひたすら痛みに耐え猛省したのでした。