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明け方までパラついていた雨は、すっかり上がっていた。
家内にせかされるように起きたときは既に「忍耐」と「奔放」(ほっと一息、水無月家の阿呆な家族たち)の姿はなかった。 家内の言うまま、朝ごはんがわりの肉まんを頬張って出かけた。 今日は、音楽会へ行くことにしていたのだ。 クラシックコンサートなどではない。 「忍耐」と「奔放」の小学校の音楽会である。 家族の行事である。 当然、「堅実」も出席予定だが、兄弟の出番に間に合うように家をでるとのことで、別々に出かけることにしたのだ。 長女の「堅実」は中学に入ったので、音楽会と言っても兄弟併せて2学年分である。 チョロいもので、すぐに終わってしまう。 散歩気取りで家内と出かけた。 最初は「奔放」の3年生でリコーダーを使った演奏である。 どういう指使いなのだか小指が立っているのが印象的であった。(笑) 「奔放」の指の使い方を見るかぎり、間違っていないようである。 ボクは少し前にあったできごと(10月19日「似たもの親子で学校サボリ?」)を思い出したのだ。 少し安心した。 まあ、小学3年生程度の演奏なので、そんなに難易度は高くないのだ。 すぐに小学5年生の「忍耐」の出番になった。 5年生が舞台に上がってもなかなか演奏が始まらない。 ボクは、「忍耐」を見つけきれず家内に「どこにいるんだ?」などと聞き出す始末である。 っと、ひとりだけ後ろを向いて、ゴソゴソしている児童がいた。 何かアクシデントがあったようで、先生もサポートにまわり出した。 「おい、あれはもしかして…」 「そうよ」 家内が言った。 ごそごそやっていたのは「忍耐」であった。 あとから聞いた話だが、ピアニーを舞台に設置してある踏み台の隙間に落としてしまったため、取るのに苦労していたと言う。 ヤレヤレである。 演奏の楽曲は3曲であった。 だが、ボクはもう1曲目からウルウルきそうになっていたのである。 NHK番組「生き物地球紀行」のエンディングで使われていたと言う、杉本竜一さんの「ビリーブ」だったのだ。 ボクは、この歌の原曲を聞いたことはない。 ネットなどで調べると、小学校の合唱でもよく使われるようで、子供たちが歌うのを聞くと、かなり感動モノの曲であることが分かる。 実は、この曲は一昨年、長女の「堅実」が小学校の劇で主役をしたときにやはり、皆で合唱した曲であった。 ボクは当時、その合唱を聴いたときに既にウルウル来ていたので、今日も嬉しいやら、ほんの少しの焦りなどがないまぜになった複雑な気分だったのだ。 因みに「忍耐」の担任と「堅実」の当時の担任は同一の先生である。 兄妹ふたりでお世話になっているのである。 最近の先生としては、かなりできた部類に入るのであろう。 大学を数年前に卒業した若い男性である。 会社の後輩だと「若造」とバカにしているかもしれないが、住む世界が違うと先生に見えるから不思議である。 大学時代にいろいろと経験(楽しいこともヤバイことも)して度胸があるのか、子供たちの信頼も厚い。 「ビリーブ」は先生の趣味かと思ったが、後から聞いた話では子供たちのリクエストだったと言う。 もうボクは、歌詞を聴いただけで、またもや(11月15日「今日はじょーじょーじゃなかった♪」)「じょーじょー」になる一歩手前だったのだ。 さすがに、外で「じょーじょー」になるにはプライドが邪魔をする。 必死に堪えたが、鼻水が出て家内には呆れられてしまった。 5年生になると音楽のレベルも上がってくる。 歌だけではなく、曲もなかなかうまかった。 打楽器もドラムだけではなくティンパニも使うので、サマになっている。 ボクは中学時代にブラスの経験もあるので(担当はトランペット)、ドラムの腹に響く音や、窓をビリビリと振るわせる周波数を体に受けるだけで血が騒ぐのだ。 ほんの少しの時間だが、良い音楽を聴くことができて幸せであった。 帰りは当然、家内とスーパーで買い物である。 暑いくらいの陽気であった。 スーパーのビニール袋にいっぱい詰め込んだ食材を持って、家内と並んで帰った。 特に会話の必要はなかった。 思い出したように話しかけたり、景色をながめるようにスローにぷらぷらと歩いた。 それが、ごく自然にふたりの間合いに溶け込んでいるようで、少なくともボクはのんびりとした時間をすごしたのだ。 たまには、こんな時間のすごし方もいい。 昼ごはんの支度をしていると、元気な声で子供たちが帰ってきた ビリーブ 杉本竜一 作詞/作曲 たとえば 君が傷ついて くじけそうになったときは かならず ぼくがそばにいて 支えてあげるよ その肩を 世界中の希望乗せて この地球はまわってる 今 未来の扉を開けるとき 悲しみや苦しみが いつの日か喜びに変わるだろう アイ ビリーブ イン フューチャー 信じてる もしも誰かが 君のそばで 泣き出しそうになったときは 黙って腕を取りながら 一緒に歩いてくれるよね 世界中の やさしさで この地球を つつみたい 今 素直な気持ちになれたなら あこがれや いとしさが 大空にはじけて耀るだろう アイ ビリーブ イン フューチャー 信じてる 今 未来の扉を開けるとき アイ ビリーブ イン フューチャー 信じてる お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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