陳氏太極拳、と、そんな生活

2009/06/17(水)00:57

膝が痛いっ!!

太極拳(454)

上海で太極拳を教えるようになって、まあ生徒さん達も、公園 デビューを狙い始めているようです。 外で練習する分には別にハードルは無いのですが、そこは皆さん 日本人です。やはりある程度カッコ良くと言うのがあるのでしょ う・・・・まあ、現在だいぶいい感じなので、秋口には皆で外の 太極拳を参考がてら繰り出して見ようかと。 で、本題。 3月ごろから、生徒さんの一人が膝の痛みを訴え始めました。 練習していて膝が痛いのでどうしようと・・・・・ 結構切実なようです。彼女は熱心に練習してきたので、最近はだ いぶ様になってきたのです。私の指導通りに練習していれば膝を 痛めるはずはないのですが・・・・ 改めて聞いてみると、  1、以前の太極拳の練習の時から少し痛みがあった。  2、以前の教室でひざを壊す人がたくさんいた。  3、陳氏をこの教室で始めてから悪化した。 3に対して、なにぃー と、思いましたが、原因を考えました。 特に2に着目して少し話をしてみると・・・・・・・ “足腰がしっかりしていないと、関節を痛める” と言う回答にたどり着きました。 ・・・・・逆です。関節を痛めない程度の動きが出きればOKで、 足腰に特化する必要は無いです。 太極拳の技術と基本を間違えなければ自然に太極拳で動く力は身に 付きます。 足腰を鍛えると言うのは偏りです。まんべんなく、ひねらず、素直に 全身を動かしていかなければ太極拳の体にはなりません。 バランスと言うのは一義のみではありません。 で、動きを細かくチェックしたところ、やはり、所々で踏ん張りと、 両足にしっかりと力をまんべんなく伝えて動く癖があります。 太極拳は変化を鍛える体操です。変化する力ではなく、踏み止まる力 に置き換えては矢張り身体に負担が生じます。 以前、香港で通っていた教室では足腰を鍛える、下半身の力と言う のが重視されていたそうです。ちなみに他流です。○式太極拳と の事です。 当時の練習方法を見せて貰った処、これではキツイだろうなあと 思いました。 陳氏はちゃんとした動きを理解している先生のもとで練習するなら 低い姿勢での鍛錬は可能です。 でも、たとえば簡化24式太極拳は低く練習する様には出来ていま せん。 たぶんそう言う事だと思って師父に電話で相談掛けてみました。 何せ、本来の私の指導通りにやっていれば膝を痛めるわけもなく、 古傷の悪化と言うのであれば相談した方がより確実と思って。 『師父、以前○式をやっていた私の生徒が、膝が痛いと言うのです。  下半身の安定と言う意識が強かった様で、間接に負担が掛ってます。  しばらく高い姿勢で鍛錬させようと思いますが、私の判断は正しい  ですか?』 『だめだな。悪化するぞ。だって、○式の練習で意識が両足で安定し  た姿勢を作る=踏ん張るになっているだろう。これだと、結局、  高い姿勢でも負荷を掛ける内容は一緒だ。負荷の程度の違いだけだ。  じわじわと悪化する。』 『どうしましょう、打つ手なしですか?』 『どういう風に指導してきた?』 『変化を重んじてきました。偏るなって』 『以前の○式の意識をもっと抜いてあげる事が先だね。先ず、手―足  肘―膝の一致それから・・・・・・・』 等などのアドバイスを受けました。そのあと、その生徒さんの体力と 性格、練習進度を見て指導した内容は・・・・・・ ・自分の好きな動作を ・私が良いと言うまで ・必ず進む方向を目で確認してから ・自分が出来得る最大限の速さで と言う極々単純な事でした。気がうんたらとか、足の運びとか、そんな 事はどうでもよく、ひたすら全身をまんべんなく、自然な形で私が指導 してきた理論通りの体の使い方でやっただけです。 自然な動作で全身の動きを一致させて動く事で痛みを取ると言うより、 痛みが出ない動作に切り替えつつ弱いところが補完できる力を身につける。 陳氏太極拳は高度な健康法であり、体操であり、気功鍛練方法です。 そして、体術です。この辺が理解できていると長く練習が続けられます。 生徒さんはあくまで私の元で練習を見てあげられるので治療に至りました。 もしこの文章を読んで膝が痛いのを何とかしたい練習者がいたら、以下の 練習である程度緩和できると思います。 1、身体、各部位を極力ひねらない様にする。 2、高い姿勢で練習。 3、積極的に足を踏み変える。 とはいえ、その教室の指導内容によって大きく意味が変わるとは思います。 それから、そう言う体の変化や不調はスグに先生に相談する事も大事です。 文章で表現するには限界があるのが残念です。

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