この連休はお姉ちゃんの病気のために、湧輝はどこにも行けず我慢しているのが手に取るように分かる。引地川の河川敷にレンゲが咲いているとの情報を得て、湧輝を連れて、私たち家族とばばさんの4人は、午前中にレンゲ畑へ目指して出発した。小田急線湘南台下車、神奈中バスに揺られて慶応大学まで行きそこで乗り換え、ところがバスは1時間以上待たなくてはならないとの事。慶応大学の正門前の守衛さんに現地までの道のりを聞く『歩いて優に2時間はあるよ!先ほども親子連れが来て、聞いて来たのでTAXIを勧めたよ。その家族はTAXIで行ったね。』と言ってタクシー会社の電話番号が書いてある紙をくれた。その会話をしている間にハイキング同好会の人らしき方が、我々の会話に入ってきて『歩いても30分だよ!行ってみたら?』守衛さんは心配そうに私たちに『行くのだったら、キャンパスの中を通って良いから』と声をかけてくれた。私たち親子は意を決して『ありがとうございます』と言ってキャンパスの中に足を踏み入れた。ところが大学を出てから目的地まで歩けど歩けどなかなか着かない。守衛さんの言っている事が正しかった。自然に触れ合いながらの2時間と30分。なかなか経験できない事を湧輝と私たちは体験した。私たちを待っていたのは空に揚がっている六つの凧たちと畑一面に広がるレンゲ草。『来年こそお姉ちゃんと一緒に来ようね!』と各人。口には出さないが見合す目と目。ぽつんと妻が『真記子おにぎり好きなんだよね?』『うん』と頷く湧輝。来年はきっと家族そろってこれますように!