カテゴリ:映画
米俳優のポール・ニューマンが5月25日、82歳の高齢を理由に映画界からの引退を表明したそうです。
近年はすっかりお爺さんになってしまってましたが、僕は昔から彼のファンでした。 ロバート・レッドフォードと共演した「明日に向かって撃て」(1969年)や「スティング」(1973年)は彼の代表作であり、ご存じの方も多いかと思います。どちらの作品も今見ても十分面白いですよね。 特に「明日に向かって撃て」で彼が演じたブッチ・キャシディは飄々としていて優しくて、とても素敵でした。今でも僕の「憧れの大人」像なんです。 でも、僕の中ではポール・ニューマンと言えば何といっても「暴力脱獄」(1967年)なんです。 ところで、昔小さい時に観た映画を大人になってから見直した時、「あれっ、これってこんな映画だったけ?」というような経験はありませんか? 僕にとって、「暴力脱獄」はまさにこれ。 この物語は、酔ってパーキング・メーターを壊し、2年の懲役刑を受けたルーク(P・ニューマン)。囚人仲間から"クール・ハンド・ルーク(図々しいルーク)"と呼ばれながら、人望を集めていきます。しかし看守たちから目をつけられた彼は、半殺しの目に遭いながら幾度となく脱獄を繰り返す・・・というものです。 この映画を初めて観たのは小学生で、テレビで放映されたものだったと記憶しています。 その時は刑務所内での様々なエピソード(卵喰い競争や監視員に媚を売るシーン等)を観て、ただただ笑っていました。その当時はこの映画がコメディだと真剣に思っていたくらいです。 (ただ、邦題やストーリーからいっても、どうしてこの映画がコメディだと信じていたのかは、今思うと不思議ではありますが・・・(~_~;)) しかし数年前に見直してみて驚きました。 自由をひたすら求め、どんな逆境にあっても敢然と一人で権力に立ち向かっていく人間の物語であり、前述のような面白いシーンはあるものの、全体としては本当にシリアスなドラマだったからです。 このことから、「所詮人間なんて、なんでも自分が見たい角度から物事を見て、感じたいように感じるようにできてるんやなぁ」とか「いくら送り手(この場合は映画)が重要なメッセージを発信していても、受け手にその気(理解する能力と理解しようとする姿勢)がなければ無駄に終わるんやなぁ」って、当時考えさせられた記憶があります。 そんなこともあって、この映画は僕にとって特別な思い入れの強い作品となっています。 (勿論、この作品でのP・ニューマンもやはりカッコいいです。) 暴力脱獄 明日に向かって撃て スティング 最後に、邦題の「暴力脱獄」ってホントにひどいタイトルの付け方ですよね。 本当に作品を観てから付けたんだろうかって疑ってしまいます。 (ちなみに原題は「クール・ハンド・ルーク(図々しいルーク)」でした。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年05月26日 16時58分38秒
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