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座乱読無駄話日記2

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2022.02.18
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カテゴリ:日記など・・
「桜嵐記」(宝塚月組公演
これ、​劇場​に行き、,ナマで見たいたいと思っていて、コロナ禍で公演が伸びて、変更になっているうちに、機会を逃してしまったのですが、BSの無料放送かなんかでやってたのを、用があったので録画しようとして、出来なかったのであきらめていたのですが、先日BSプレミアムでやってたので、やっと視聴。
 放送を教えて下さったツィッターのフォロワーいたるさま( @itaru068)有難うございます。
                    

 さて、これはもうやはり題材だけで見たいとなったものでして、この物語が今時、取りあげられるのは珍しい。原典は「吉野拾遺」に出てくる、楠木正行と弁内侍の恋物語です。
 南朝の吉野朝廷に仕える女官の弁内侍が大層美人だと聞いた、好色な髙師直が、彼女を手に入れたいと、偽の情報で吉野山からおびき出し、誘拐しようとしたところに楠木正行が行き合わせて、助け出し、二人は恋に落ち、後村上天皇から、内侍を賜るということになるのだけれど、正行はまもなく出陣で、生きて帰れぬゆえ断る・・というような伝説があって、そのとおりに四条畷で髙師直に敗れ、討ち死にという悲恋ものです。

 これは、宝塚的だというならまさにそうなんですが、吉野朝は、やはり山の中の亡命政権ゆえ、舞台は地味なので、吉野の名物桜が満開・・という花の中の物語にしているのかも。はかなくも美しい桜の嵐のような恋であった‥と言う象徴なんでしょうが・・。
 しかし戦前はともかく、南北朝ものというのは、今は一般的知名度は低いのではないでしょうか? なじみのない時代、世界だし、時代背景も説明しなければならないので、このドラマの最初は、なんで鎌倉幕府が滅んだか‥建武の新政から歴史経過を説明するところからはじまる。
 仕方ないでしょうねえ・・・。
 弁内侍というヒロインも、無名・・。楠木正行だって(今はともかく)、子供の時は、瓦煎餅の子供だった。弁内侍が日野俊基の娘という設定も、俊基とくれば
 落花の雪に踏み迷う 片野の春の桜狩り 
でおなじみ(おなじみか?ただ単にうちの母が、このくだりが好きだったというだけかも)の、散りゆく桜にもイメージしやすいでしょうから、このドラマは桜があふれております(けど、四条畷の戦いは冬やねんけどな・・あえて桜にまがう雪でも散らすか・・?)。(・・ただ弁内侍は、後醍醐帝に仕えていたということなので、俊基の娘としても、宮中に上がれるほどの年齢だから、俊基が死んでから16年もたっているのでかなり正行より年上ってことよねえ。)
 そこはこのドラマでは、俊基の死んだ時幼女だったことにしてる・・・。

 私個人としては、やはり悪役の髙師直がどんなふうに描かれるか・・というのを興味を持っていましたが、そこはそれ・・・やはり「まっとうな悪役」でございました。
大勢女性を侍らせて、更に新しい女性を求める典型的な「好色漢」。そんな師直でも、よいけれど、このシーンは寝間着なの? もしかして寝所にいっぱい女性を侍らせてるってイメージなんかなあ?  
 でも、烏帽子被っててほしかったなあ・・。烏帽子なしでも、茶筅髷はないわ・・。
 珍しかったのは、いつもそばにいる弟の師泰が(意外に)真面目役をやっており、兄者、いいかげんにしては?みたいなのが、へ~っ!ってなった。この兄弟はセットで悪役にされるんやけどなあ・・。

茶筅髷?の師直。               出仕中でちゃんとしてる師直
 

 セットといえば足利尊氏の弟は出てこなかったなあ・・あれ、序盤の解説舞踊?の時にいたかなあ?
 
 師直はヒロインを略奪する悪人なので、従来通りの人物設定でもよいのですが、このドラマの目新しい?ところは、楠木正行が「南北和平派」ってとこ。
 そして、それを知ってか知らずか、師直の主人である足利尊氏が、正行をスカウトしにくる。吉野に仕えることをやめて、わしの配下にならぬか?
 
    足利尊氏。横に控えるのは命鶴丸くん♪
   

 楠木正成は、足利との和平を進言して後醍醐帝に拒絶され、湊川で戦死。息子としては、これ以上無駄な使者を出さないためには、足利と和解して南北の朝廷を一つにしては?と思っており、尊氏の言う、主人を乗り換える路線ではないんですね。

 南北和平を、朝廷で帝に迫るんですが、帝は本音はもうやめたい・・・って思ってるのに、北畠パパに思いっきり拒絶される。これは、楠木正成の悪夢再びですねえ♪
 その場面で、びっくりすることに、なんと後醍醐天皇の御霊が現れる!

    

 いや、これ驚いたわ♪ そして楠木正成や、北畠顕家の亡霊が現れて、悲惨な末路を踊りながら演じる。後醍醐さんの決めセリフは勿論これです。

  玉骨はたとえ南山の苔に埋もるとも、魂魄は常に北闕の天を望まん

 これを叫びつつ現れる怨霊は大迫力! 最後は、舞台の中央に現れ、崇徳院かと思うほどの白髪交じりの髪を振り乱して叫ぶのだ!

 こうして結局、数々の者が無念の死を死んだ以上、戦わなければならんのだ・・、ということで四条畷の戦いへとなだれ込みます。
 いや、恐るべし、後醍醐帝の怨念・・・。

 そのラストは、さらに何十年もたった老境の楠木正義が、和平の道を模索するも未だならず・・でもかならずその日は来る…と述懐し、今は出家して尼となっている弁内侍と語り合うシーンで終わります。

 これ・・・まあ、現代的な解釈なんでしょうねえ。
 南朝ものとすれば、どうしても悲劇になるけど、底流にはなんだか、後醍醐さんが一人わがままいってその強烈な御霊に縛られて未だ逃れられない南朝廷臣たち・・な感じにまとめています。
 まあ、足利尊氏も後醍醐さんの御霊に縛られていたんですけどね・・。

 あ、南北朝の対立は公家vs武家の対立ではありません。

 私の「足利家の執事]に登場の弁内侍伝説はこんな感じです。

    足利家の執事432
     


      足利家の執事433
     

(噂だけで、正行も登場はしていません・・)

楠木正行四条畷とくれば、やはりこれでしょう。


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最終更新日  2022.02.18 15:29:55
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