2010/10/31(日)06:36
『プリズン・デッド 女囚VS狼女(2008)』~負け狼、30年前への遠吠え
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パクリ、パチモンの世界は、ストーリーが面白いとか、内容が感動的だとかとは別次元の楽しさがある。
『プリズン・デッド』は、『プリズン・ブレイク』の人気に便乗しようとしたタイトルだろう。『プリズン・ブレイク』って見たことないけど、題名はよく聞く。
原題は『WEREWOLF IN A WOMEN'S PRISON』。こちらは『An American Werewolf in London』つまりジョン・ランディスの『狼男アメリカン(1981)』からいただいてるね。
『狼男アメリカン』では、死んだ友達がたびたび主人公の前に現われて、回を追うごとに顔が崩れていった。『プリズン・デッド』でも、主人公の彼氏が死んだ後に現れる。やっぱり何回も出てきて顔がくずれていくのかなぁと見ていたら、案の定同じ展開。
おもしろいなあ。『プリズン・デッド』の監督は、ジョン・ランディスに憧憬を抱いていたのだろうなあ。
そして、副題が『女囚VS狼女』。女刑務所が舞台となっている。
映画の1ジャンルといっていいのか女囚もの、女囚映画なる分類がある。見たことないけど。推して知るべしの男性向け映画のようだ。
変身前の狼女が投獄され、やがて刑務所内は大騒ぎになる。けど、なんで女刑務所なのかといえが、エロ・シーンを見せられるからにほかならない。
しかし、この映画、特筆したい部分がある。
狼男ならぬ狼女という設定ではない。その変身パターンだ。
これまで、人狼、狼男は、人間形態に毛が生え、耳が伸び、顔が変形してモンスター化した。だが、『プリズン・デッド』では、体の両側面が縦に裂けて、人間の皮を脱いで内側から狼女が出現するのだ。これまでにないパターンだ。
では、戻り方はどうなんだろう。夜変身した狼女は、朝になればまた人間の姿になっている。抜け殻になった人間の皮は脱ぎ捨てたままだ。ということは、狼女の皮を脱ぎ捨ててその下から人間の女が出てくるのか?けど、脱ぎ捨てた狼女の皮はない。そこのところの描写はないからわからない。
『狼男アメリカン』は、ジョー・ダンテの狼男映画『ハウリング(1981)』と競作のような形になった。それは両作とも、特殊メイクを活用した変身シーンがとても斬新だったからだ。
あるいは『プリズン・デッド』も、これまでにない変身方法を見せれば、注目されると考えたのかもしれない。30年遅れの競争参入だけど。
それはいいんだが、変身した狼人間形態が不自然なのだ。大胸筋が発達して、どう見ても男の体にしか見えない。確かに女子アスリートにも逆三角形の体型をしている人たちがいるけど、それ以上は言わない。
ここのところ、某レンタルビデオ・チェーンストアは、このところ旧作100円レンタルを実施してきた。100円だったらね、パチモン、パクリも気楽にたくさん借りられるってもんだ。