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テーマ:DVD映画鑑賞(14215)
カテゴリ:ホラー映画
パチモン、パクリ、二番煎じ、マイナー、Z級……、怪しいテイストは確かめずにいられない。 『ザ・ウルフマン』というタイトルは、メジャー映画『ウルフマン』に『ザ』をつけたわけだ。『ウルフマン』の原題は、『The Wolfman』だからややこしいんだけど、『ザ・ウルフマン』の方は『DEATH HUNTER Werewolves vs. Vampires』。ウルフマンの文字はない。 原題を見ると、この映画自体は、メジャー『ウルフマン』のパチモンではなさそうだ。制作年も『ザ』の方は2008年だ。2010年の『ウルフマン』の公開に便乗して、『ザ・ウルフマン』とタイトルを付けてDVDを発売したのだろう。 「人狼対吸血鬼」。 そうすると、とりあえず狼男軍団と吸血鬼軍団のバトルなんだな、と思うじゃないか、複数形だし。狼男一族と吸血鬼一族の何百年もに渡る抗争を描いた『アンダーワールド』シリーズ(2003~09)をパクったのか。 スケールはしょぼいだろうとわかってはいるが、狼男と吸血鬼の血で血を洗う戦いが展開される、と予想する。ちょっこっと期待もする。 でも、ちがう。確かに、狼男一族らしき存在と、吸血鬼一族は登場する。しかし、両者が映画の中で直接対決することはないのだ。あっさり肩すかしをくらった。 でも、タイトルが『ザ・ウルフマン』なんだから、パッケージにあるような狼男が主役であることは、これは最低限間違いないはず、と思うわけだ。 この映画の主人公は、ジョン・クロワ。吸血鬼一族に遭遇し、妻を奪われながらも命からがら逃げのびるとつぎには狼男の襲撃を受けて噛まれてしまう、という珍しくも不運な男。 ついに、ジョン・クロワが狼男に変身し、吸血鬼一族とのバトルが展開する、と予想する。ちょこっと期待もする。 でも、ちがう。確かに、ジョンは狼男になりそうになる。しかし、化学者ヴァン・ネスがジョンに解毒剤を処方し、狼男に変身するのを防ぐ。ジョンは、そのままいつまで待っても変身はしない。またまた肩すかしをくらった。 変身は防げたのだけど、ジョンは狼男の能力を備えており、妻の奪還に挑むのであった。けど、あっという間にバトルは終焉を迎えちゃう。山場なし。妻は、めでたくも吸血鬼にもされずに無傷で生き残っていたし。 ジョンが狼男に変身しないとすると、パッケージの狼男は何だったのか。 人を襲うとき、人間に近い狼男第一形態が出現する。これは、役者が衣服着用でマスクを被っている。しかし、このマスク、眼鼻口の一帯に毛がないから、狼男というより猿に見えてしまう。 そして、パワーアップするのだろうか、衣服を脱ぎ棄て全身剛毛に覆われたより狼に近い狼男第二携帯が登場。こちらはCGである。 狼男は、都合二回画面に姿を現す。一回目はジョンが襲われるとき。もう一回は、ホラーにおなじみの若者グループが襲撃を受けるとき。この2回とも、CG画面はまったく同じ映像。使いまわしだ。 このCGの狼男がパッケージの狼男だ。 パチモン、パクリ、二番煎じ、マイナー、Z級……、怪しいテイストの映画は、見る側の予想、期待をはずしてくれる。あるはずの階段がなくて、宙に泳ぐ感じですね。そのはずし具合が楽しかったりもする。 ジョン・クロワ、変身しない狼男。しかし、狼男にかまれる前、かまれた後、そして修業を経てヒーローになってからと三段で姿を変える。意味もなく。そのピンボケぶりが、また奇妙な味だったりする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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