レイ王子は猫である

ＰＣの電源を落とし、さあ帰ろうとして３階の設計フロアから２階の事務所に降りた時
営業の若い子に呼び止められる。

彼は先日、私の設計で造った機械の納品を担当した子だ。

彼が言うには、納品時に撮った画像や動画が有るのでちょっと見て欲しいとの事。

納品した時や、試運転で気が付いた事があるというので、
彼が撮って来た画像や動画を見ながら、立会いを担当したもう一人の営業さんと３人で話をする。

普段、試運転や納品には殆ど立ち会う事が無い私にとって、
彼等営業さんの実際に使った人の意見は貴重な情報なのだ。

今回の機械は、立会い時に私は病院に行っていて不在だった為、
気にはなっていた件だった。

彼が一番気にしていたのはドアーのハンドルの事で、
画像や動画を見る限りでは、確かに少し改善した方が良さそうな気がした。

しかし、以前現場責任者の人と話をして改善箇所は既に改善しており、
これ以上はお客さんの指摘が無い以上は保留という話になっていたので、
頭には入れておくが直ぐに仕様の変更とはいかない箇所だった。

そんな話をして、さて帰ろうかなとした時。

設計に所属する(つまり私と同じ部署の)人がやって来ていきなり私達(私個人？)にこう言い放った。

「ふらふらしてないでさっさと帰れ」と。

はぁ？と思ったが、この人物に何か反論しても多分まともな会話は期待出来そうにないので
黙って帰る事にした。

一応、というか私から見れば大分年上の方なので、
面と向かって私からは意見しないが、何か悪意の感じられる言い方だった。

以前も私とは何度か衝突している人物なので快くは思われていないとは思っていたが、
まさかそんな言い方されるとはな・・・。

折角良い気分で帰れると思っていた矢先にこんな事・・・。

話していた時間だってせいぜい１５分足らずの間なのに・・・。

こんな嫌な気分で家に帰るのは初めてだ(怒)。

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