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レオンパパの定年退職後日記

レオンパパの定年退職後日記

5.決心

同日

「連れて帰ります。連れて帰れますね?」

思わず私はそう言っていました。
多分レオンは助からない。もしこのままここに残してオペして貰ったら、 もう二度と生きてレオンには会えないかもしれない。

「非常に状態が悪い上にCT検査の麻酔からも抜け切っていない状態でレオン君を返すのは非常に危険ですよ。又責任も持てません。どうしてもと言われるならお返ししますが。」

私はいくら優秀な先生でも他人に預ける気にはどうしてもなれませんでした。又、その判断は間違っていないと思い、重ねて連れて帰ると言いました。

「判りました。では連れて帰る準備をして来ます。」
そう言って先生は部屋を出て行かれました。

私と妻は連れて帰ると言う意思を短い言葉で確認し合いました。

最後に、一緒に話を聞いていた息子に
「手術をせずにレオンと一緒に帰ろうな。」と言うと息子は目に涙を浮かべ小さい声で
 
・・手術したい。・・してあげたい」と答えました。

「手術中にもしもの事があったら、もう二度とレオンに会えなくなるんやで。それでもいいの?」妻も涙ながらに聞きました。

「うん、それでもしてあげたい」小さいけれど、はっきりとした声で答えました。
 
先生、大丈夫って言ってたもん」続けて言いました。


息子の返事を聞いた私たちが、その日先生にレオンを預けて帰ったのは言うまでもありません。





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