＊人はかわれるかもしれない＊

　 息子は、中学、高校と両方不登校を経験しています。

　　本人には聞いていませんが、私がより辛かったのは、中学の時でした。

　　中学時代は、「学校へ戻そう」「少しでも登校さそう」という気持ちから離れられ

　　なかったからだと思います。

　　今なら、単位に関係しないし、いくらでも休めるし、高校なんていくらでもあるし

　　って思えるんだけどね。

　　なんで、あの頃、あんなに、そう思ったのか、不思議です。

　　その頃は、息子自身も、口では「行きたいのに、行けない」って言ってました。

　　たまに登校すると、「楽しかった」って。

　　けれど、潜在意識の中では、「行きたくない」だったのでしょうね。

　　でも、私は、息子の表面に出た言葉だけをとらえて、「どうしたら学校に行かせら

　　れるか？」の方にばかりに、一生懸命になっていました。

　　学校と連絡をとって、先生と話し合いをしたり、家に来てもらったり、スクール

　　カウンセラーの方に話を聞いてもらったり・・・

　　息子を病院に連れて行ったこともあります。その頃は原因不明の体調不良が続いて

　　いて、彼自身もそれをどうにかしたかったのか、「行く」といいました。

　　でも、わからなかった。「自律神経の乱れ」ぐらいしか・・・

　　とにかく「休みたかった」んだと、今となっては思います。

　　もっと早く、休ませてあげればよかったなって。「心」も「体」も。

　　普通の状態なら、適当な睡眠時間をとれば、休まります。でも当時の彼は、もっと

　　もっと、睡眠が必要だったんだと。ほんとうに、一日のうちほとんど、寝てる状態

　　でした。そして、さっき起きたかと思うとまた寝てる。

　　そのうち、いつ寝てるか、いつ起きてるか、わからないぐらい寝てましたね。

　　そんなに息子が寝てばかりいるんだから、わたしも出かければよさそうなものです

　　が、当時はそんな気持ちになれませんでした。

　　まさに「子供のつらさ」と「親のつらさ」を、分けて考えることができなかったん

　　だと思います。

　　下の娘の用事と、日々の買い物、時々の仕事、図書館で本を借りる、ぐらいしか出

　　かけなかったと思います。

　　買い物のついでにＤＶＤ借りたり、お菓子買ったりはしてましたけど・・・

　　他人との間に、高い壁を作ってました。

　　それまでの自分がなくなったみたいでした。

　　車で買い物に出かけた時、息子の中学の子たちが、校外学習でぞろぞろ歩いている

　　のを目にした時は、涙で前が見えないぐらいでした。（危険！）

　　でも、そうゆう私もわたしなんだなあ・・・親だってつらい時はつらいんだなあ・・

　　って、自分で認めてあげて初めて、息子のつらさと向き合えるようになったと思い

　　ます。