＊人はかわれるかもしれない＊

　　　

　　　最近また、このことを自覚することが、おこりました。

　　　以前よく一緒にランチしていた、息子娘共通のママ友から、久しぶりにメールでランチ

　　　のお誘いがありました。

　　　３月に転勤、引っ越しの予定のママ友を囲んで、ランチしましょうって。

　　　５,６人の集まりになるそうですが、その中に１人、今はどうしても会いたくない方が

　　　いたのです。偶然にも息子、娘それぞれが所属していた部活に、その方のお子さんも

　　　入っている（過去に入っていた）のです。

　　　「部活の話題にふられたら、どうしよう」という気持ちが、一瞬頭をよぎりました。

　　　（まだまだ部活のことはふっきれていない自分を自覚・・・）

　　　それで、先にある父の手術のことを理由に、断りのメールをしてしまいました。

　　　「はー」と脱力。落ち込むわ～こんなことに～へたれな私です。


　　　私にはトラウマがあります。それは息子が中学３年生の春、五月雨登校中にクラス役員

　　　を引き受けてしまって、学校へ行った時の体験です。

　　　行ったその場所、その時会話したこと、他のお母さんの視線、先生の話、笑い声、教室

　　　の空気、今でも（ほぼ３年が経とうとしていますが）、思い出すと怖いです。

　　　その時、その場所に近づきたくありません。逃げたくなります。

　　　ひとえに、自分の「断れない性格」が招いたものに他ならないのですが・・・


　　　息子は中３の始め頃、何日間か続けて登校していました。

　　　担任の働きかけで、家にしょっちゅう電話をいただいたり、息子と仲の良い友達からの

　　　メールの誘いがあったり、強い「登校刺激」を受けていたからです。

　　　やはり先生も受験を意識していたのだと思います。息子はその働きかけで、何回か友達

　　　と待ち合わせて一緒に登校したり、自分一人でも、少し遅れて登校したりしていました

　　　私もその時は「よかった」と思ったのです。学校へこのまま行けたらって。教室にも

　　　入れていましたし。行ったら最後まで過ごせていましたし。

　　　でも、それは続きませんでした。無理していたのです。その後、又行けなくなりました

　　　そして「学校へ行けない自分」を一層責めました。


　　　息子が続けて登校していた時に、担任の先生からクラスで５人いる「役員を受けてもら

　　　えないでしょうか」というお話がありました。

　　　役員選びは毎年春のこの時期にあり、クラスのお母さん方が、名簿に〇を入れて選ぶの

　　　ですが、何人か私の名前に〇をつけた方がいたみたいで「お願します」と言われました

　　　迷いました。息子の１年生でも役員はしていたので、断ることは出来たのです。

　　　それに２年生の最後の方は、あまり登校出来ていなかったから、又行けなくなる可能性

　　　も大きかったですし・・・実際そうなりましたし・・・

　　　でも、「先生が息子のために、色々としてくださっているのに、断ったら悪いかな？」

　　　という気持ちもあり、迷ったすえに押し切られるように、引き受けてしまったのです。


　　　その半月位後に、選ばれた役員を集めての会がありました。その頃息子は登校出来て

　　　いませんでした。この後、何カ月か五月雨登校の時期が続きました。

　　　夜の学校の教室。灯りは異常に感じるぐらい明るく、ママたちのおしゃべりの声が響き

　　　教室に入るのに足がすくみました。

　　　話しかけてくれる方もいて、何か会話したように思います。でも、すごく居心地が悪か

　　　った。学年主任の受験の話。ママたちの「どこの高校受けるの？勉強してる？」の話題

　　　を遠い世界のことのように聞いていました。

　　　まるで、自分の周りだけにバリアーがはられているみたいで、人がいっぱいいるのに、

　　　心の中は孤独感であふれていました。１人ぼっちの気がしました。

　　　「早く帰りたい」「なんで役員なんか引き受けたんだろう」って後悔でいっぱいでした


　　　その後、教室を移動して部会に分かれた時も、部長を選ぶクジに当たらないかひやひや

　　　しました。結果的には当たらなかったのですが。

　　　普通の役員だったので、そんなに学校へ行かなければならないこともなく（数回かな）

　　　よかったのですが・・・それも正直行きたくはありませんでした。

　　　私には今でも苦い体験です。まだ心の傷として残っています。

　　　その後も長い間中学校に足をふみ入れると、心臓がドキドキしていました。今は、大分

　　　ましになりましたが、あの時の自分、まだ充分癒してあげていないのかもしれません