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カテゴリ:グットな人
企業には、障害者の法定雇用率を達成することが義務づけられている。
しかし、47都道府県で法定雇用率達成企業は、42%です。 日本で一番、高いのは大分県の55,6%。 日本で一番、低いのは、オリンピック招致を目指し、自ら銀行業を始めた、東京都の27%。 多くの企業が、障害者を雇うより、ペナルティーの納付金を納める方を選んでいる。 日本の会社の6割が、納付金を払ってよしとしている。 坂本教授は、”もしかしたら、働きたいと思う障害者が少ないのかもしれない。”と思い 調べた。すると、働きたいと思っている障害者の7割の方が、働くことが閉ざされている 現実があった。実に有効求人倍率、0.3倍だった。 坂本教授は、ある会社にお邪魔した。 今回の主人公の名前は、日本理化学工業株式会社 この会社に、今から50年前、一人の女性が訪れた。 その女性は、養護学校の教師をやっている者です。と名乗った。 ”むずかしいことはわかっておりますが、今度卒業予定の子供を、ぜひあなたの会社で 採用していただけないでしょうか。ぜひ、お願いしたいのです。” 障害を持つ二人の少女を、採用してほしいとの依頼だった。 社長は、悩みに悩んだ。 それは、その子たちを雇うのであれば、その一生を幸せにしてあげないといけない。 しかし、それだけのことができるかどうか。。。 そう考えると、自信がなかった。 結局 ”お気持ちはわかりますが、うちでは無理です。申し訳ございませんが。。。”と断った。 しかし、先生はあきらめず、またやって来ます。また断ります。 それでもまたやって来ます。それでも断りました。 三回目の訪問のとき、先生は、大山社長を苦しませていることに、耐えられなくなったの でしょう、ついにあきらめたそうです。しかしその時、 ”せめてお願いを一つだけ”ということで、こんな申し出をしたそうだ。 ”大山さん、もう採用してくれとはお願いしません。でも、就職が無理なら、 せめて、あの子達に働く体験だけでもさせてくれませんか?そうでないとこの子達は 働く喜び、働く幸せを知らないまま施設で死ぬまで暮らすことになってしまいます。 私たち、健常者より、この子らは、平均的に、はるかに寿命が短いんです。” 頭をこすりつけるようにお願いしている先生の姿に、大山さんは心を打たれ、 ”一週間だけなら”ということで、障害を持つ二人の少女に就業体験をさせてあげることに なったそうだ。就業体験が決まると、喜んだのは子供たちだけではありませんでした。 先生はもちろん、ご父兄たちまでたいそう喜んだそうです。 会社は、午前8時から午後5時までだった。 しかし、その子たちは雨の降る日も、強い風の日も、 毎朝、7時には、会社の玄関に来ていた。 お父さん、お母さん、さらには心配して先生までいっしょに送ってきたと言います。 親御さんたちは、午後3時ごろになると、”倒れていないか””何か迷惑をかけていないか” と遠くから見守っていたそうです。 そして、1週間がすぎて、就業体験が終わろうとしている前日のことです。 ”お話があります” 十数人の社員全員が大山さんを取り囲みました。 ”あの子たち、明日で就業体験が終わってしまいます。どうか大山さん、 来年の4月1日から、あの子たちを正社員として採用してあげてください。 あの二人の少女を、これっきりにするのではなくて、正社員として採用してください。 もし、あの子たちにできないことがあるなら、私たちみんなでカバーしますから。 だから、どうか、採用してあげてください。” 全社員の総意だった。 社員の心を動かすほど、この子たちは朝から就業時間まで、 何しろ一生懸命働いていたのだ。 仕事は簡単なラベル張りでしたが、10時の休み時間、お昼休み、3時の休み時間にも、 仕事に没頭して、手を休めようとはしません。 毎日背中をたたいて、”もう、お昼休みだよ””もう今日は終わりだよ”と言われるまで 一心不乱だったそうです。 ほんとうに幸せそうな顔をして、一生懸命仕事をしていたそうです。 大山社長は、この時、ある疑問と工夫を思いついたそうだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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