副島隆彦 氏 新刊レビュー。世界経済の方向性が分かる書籍。
今年も残すところ一ヶ月近くとなりました。振り返ると私たちの国では大震災にみまわれ悲しい出来事から始まった一年でもあり、私たちの意識を変えるさまざまな事象が起こった一年でした。原発問題に発したエネルギー問題で節電が必要となり、日常なにも考えずに使用していた電力への節電意識を持つことになりエネルギーを考え直す必要がでてきた年でもありました。また絆という連帯感や私たちが住んでいる地域や日本という国に対する愛国心が強くなった一年ではなかったでしょうか。さて、日本以外の国をみてみると世界経済の大きな変化が起こる前の混乱が続いているヨーロッパでは国家債務危機に陥っていて出口が見えない国があり、いづれ国家破産となる国々と破産状態の国があります。各国の国債利回り(10年物国債)はギリシャ :30%前後(紙くず同然)アイルランド:8%台ポルトガル :13%台イタリア :7%台スペイン :6.5%台これらの債権を保有する欧州と米国の銀行では財務内容が悪化しており債務超過の危機にある銀行があります。先月、ベルギー最大のデクシア銀行が破綻したのも債務危機に陥っているギリシャやイタリアの国債を大量に保有していたため破綻しました。これと同じように債務危機に陥っている国の債権を大量に保有している銀行が次々に破綻していくと予想されています。この様な事態が起こってくると欧州金融危機になり恐慌への突入となり米国へと飛び火して米国にとっても打撃となります。またさらに恐怖とされているのがCDSという金融商品で国家破綻を取引の対象としている金融博打ですが、ギリシャ国債にくっついているCDSがギリシャの破綻となった時に破裂し、国債CDSを販売していた銀行、保険会社は契約者に支払い義務が生じCDS販売元も打撃を受けることになります。他にもシンセティックCDOという国債CDSをたくさん組み込んで作った金融博打商品が破裂し、どれくらい組み立てられて販売されているかは明らかではないです。なのでギリシャが国家破綻宣言をすれば、第二のリーマン・ショックが起こるとされています。以下の書籍では世界経済の近未来の方向性がよく分かり、ご自身の資産防衛をどのように行った方が良いのかヒントを与えてくれる良書です。