それぞれの検査近年のコンピューター技術の進歩には、著しいものがあります。 それに伴い、画像診断機器の性能が飛躍的に進歩しました。 そして、色んなガンが数多く発見されるようになっています。 ココでは、このうちCTとMRIについてお話していきます。 ■CT(X線コンピューター断層撮影)■ CTでは、身体の周囲にX線の発生装置であるX線の管球(X線を出す所)を廻し 身体の中を通過してきたX線の量を検出器に感知させ(=スキャン) これから得られた情報より、コンピューターで画像を構成します。 CTの検査では、造影剤を使用しない単純CTと静脈から造影剤を注入して撮影を行う造影CTとがあります。 造影CTでは病変の発見率が高まり、病変と周囲臓器や血管との関係が明らかとなります。 この検査によって重要な情報が得られ、早期での診断や今後の治療方針の決定に役立つと判断された場合に行われます。 *造影剤について 通常「ヨード造影剤」というものが使われます。 副作用については、近年造影剤も改良が加えられ減少してきています。 とは言え、やはりその可能性もゼロとは言えません。 副作用として多い症状は、吐き気・痒み・熱感(造影剤注入時に熱い感じがする)などです。 これらの症状は、検査中~検査後1時間の間に起こることが多く、 特別な治療を必要としない軽度のものが殆どです。 (熱感は、おそらく殆どの方が感じると思います。私もこの熱感が苦手です。汗) 極めて稀ですが、血圧低下・呼吸因難などの重い副作用が起こることがあります。 そういう場合は、キチンと専門の医師が適切な処置を行ってくれます。 また、稀に検査終了数時間~数日後に痒みや蕁麻疹、吐き気、めまいなどの症状が現れることもあります。 その場合は、すぐに病院へ連絡するよう事前にも説明があると思います。 アレルギー体質の方(特に気管支喘息)、過去に造影剤を使用して気分が悪くなったり、蕁麻疹が出たりと 副作用が起こったことのある方、腎機能障害などがある方は副作用が起こりやすくなります。 事前に同意書で、以上に該当するかどうかを記入する欄があると思いますので必ず記入しましょう。 とは言え、私も何度も造影CTの経験がありますが、基本的にアレルギー体質であり 過去に気管支喘息も患っています。でも、今まで副作用を感じた経験はありません。 私個人としては、そこまで神経質にならなくていいと考えています。 ■MRI(磁気共鳴画像診断)■ MRIは、磁石の磁場を利用して画像を作る撮影法です。 物体の組織を見る能力はCTや超音波よりも優れており、特に神経や筋肉、骨盤腔内の診断には適しています。 任意の断面を撮影することも可能であり、X線による被爆のないのも特徴の1つです。 他にMRIの利点として、組織コントラストが強い(CTと比較して著明に)・骨の影響がない・ 多方向からの撮影が可能などがあります。 欠点としては、撮影時間が長い・検査中の音が大きい・骨や石灰化の情報が少ない・ 空間分解能が低い・装置内部が狭いなどがあります。 副作用としては、CT同様造影剤を使用した場合のアレルギーなどです。 只、CTと違って強い磁気を使用する為、心臓ペースメーカーの装着されている方は、検査が出来ません。 また、人工関節・手術クリップなどの金属物が体内にある方は要注意です。 検査前にキチンと医師に伝えましょう。 子宮ガンカテゴリのpageも合わせてご覧下さい。→ そして、皆様も不安に思われているであろうX線の被曝についてですが このX線の被爆により、発ガンの可能性が全くないとは言えないのは事実です。 しかし、医療で使われるX線の量は通常少なく、発ガンの可能性は小さいとされています。 検査では、目的とする部位以外に余分なX線が照射されないよう、工夫して撮影が行こなわれます。 また、最近のCT装置は、さらに少ないX線量で撮影出来るように改良されているようです。 CT検査によるX線被爆のリスクと、病気を発見出来ないリスク。 もちろん発見出来ない方が怖いですよね。 もちろん、病気にならないことがベストですが、もしもなってしまった場合、 疑わしい場合、CT検査などによってキチンと診断してもらうことが一番なのです。 超音波検査は、超音波を発信し、その反射を利用して身体の断層画像を得る検査方法です。 CT・MRIと比較して、最も手軽な検査方法です。 X線の被爆がないことにより、婦人科領域ではガン以外でも広く利用されています。 詳しくは子宮ガンカテゴリのpageへ→ まず、腫瘍マーカーとは、ガンは正常細胞と異なった異常な細胞の集まりですので 正常な細胞とは違う目印になる物質が存在します。 正常細胞は産生しないタンパク質や、正常細胞にも存在するけれどもガン細胞の方がより多く産生する物質。 ガン細胞の影響によって正常細胞がより多く産生してしまう物質。 それらを血中(尿中・便中からの場合もあります。)から検出することで、ガンの存在はもとより ガンの種類や病気の広がり、治療の効果判定、再発の発見などに役立つ目印が腫瘍マーカーです。 この腫瘍マーカーの役割として、まず診断の目的に使われます。 健康診断などの早期発見を目的とした場合です。 そして、ガンの治療を行っている最中に腫瘍マーカーを測定することにより治療の効果をみると言った 治療効果の判定を目的として使われます。(治療効果モニタリング) 手術や抗がん剤投与、放射線照射などの治療によってガンが小さくなった場合、腫瘍マーカーの数値は下がるので 腫瘍マーカーを測定することで、治療がうまくいっているかどうかの判断材料になります。 治療効果の有無を予測する目的にも使われたりもします。(治療効果予測) また、治療後にも経過観察として腫瘍マーカーを測定します。 治療により正常値となった腫瘍マーカーが、ガンの再発に伴い、再び上昇するのを監視することによって 早期に治療の再開を可能にします。(再発発見) 臨床上使われている腫瘍マーカーとして、様々なものがあります。 各腫瘍マーカーにはそれぞれ特徴があり、使用上に注意が必要なものもあります。 ココでは、今現在私が検査している腫瘍マーカーの説明をまとめておきます。
現在、臨床の場で使われている腫瘍マーカーには、多少であれ問題点も存在します。 第1点に、必ずしもガンの存在を言い当てません。 ガンの早期から腫瘍マーカーが高値を示してくれるといいのですが、実際はそうではありません。 腫瘍がある程度大きくならないと高値にならなかったり、最後まで腫瘍マーカーが検知出来なかったりする場合もあります。 更に、ガン以外の良性の疾患や加齢によって高値を示す腫瘍マーカーも存在する為 腫瘍マーカーが高値であっても、ガンであるとは限りません。 また、ガンが進行して大きくならないと腫瘍マーカーが異常値を示さないといったこともありますので 安価で簡単な検査とは言え、腫瘍マーカーのみの診断は確実ではないのも現状です。 ガンであるかの確定には、これまでお話してきた画像診断や生検(子宮頚ガンの診察・検査pegeの「組織診」も生検と言う。) といった他の検査を同時に行い、総合的に診断するべきです。 |