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私の妹は私よりもずっとしっかりしている。
ように思う。 彼女の理性は高い高い鉄の壁のようであり、情緒がちょっと足 りないようである欠点を抱えながらも、後悔しないで生きて行く という点においては、そんな非難を一掃する強さと説得力を持って いるように思う。 彼女は私が旦那と別れて、酒に溺れてボロボロになっている時 私にこんなことを言った。 「お姉ちゃん。今お姉ちゃんが辛いのはよくわかる。寂しくて 自分の気持ちをうまくコントロールできないのもよくわかる。 でもね。 本当に納得のできる自分の人生を歩むためには、何年かかるか わからない孤独の中に自分の身を置いてじっと我慢をすること も大切なことなんだよ。そうやって、毎日たいして面白くも ないことに付き合って過ごしているうちに、きっと転機がや ってくると信じることが、一番の幸せの近道になるんだよ。 だから、やけを起こしたりしないで、静かに毎日過ごして ごらんよ。きっとひとつ山を越えるから。」 当時の私はそんな言葉を受け入れる余裕もなく、頑張ることから 逃げて、自分にふさわしい仕事が見つからないとか、お金なら まだあるから少しのんびり遊びたいんだとかいいながら、毎日 ウダウダ過ごしていたんだけれど、今にして思えば、自分よりも 5つも年下の妹に言われた言葉がひどく確信をついていて、 なるほどなあなんて思ってしまうんだから、どっちが姉だか さっぱりわからない(笑) そういうことに20で気が付く人は今ごろ立派な奥さんになって いて、子育てに忙しいのかもしれない(笑) 私は30を超えてやっとつくづく思えるようになったわけだけど スタート地点が遅れてしまっても、まあいいやと笑い飛ばして 少し氷河期をしっかり一人で歩んでみようかな?なんて 思ったりもしている。 そうこうしているうちに身近にいる人のことが本当に好きなん だということにやっ気が付いて再婚!!ってこともあるかも しれないし、それとはまったく違う生き方が待っているかも しれないし(笑) もう8月も終わり。 芸術の秋の始まり。 大好きな春樹さんの長編も近じか発売されるので、読書しながら 秋の夜長を楽しもうかな? 私に格言を与えた妹は、好きな人と思いを残したまま別れた 半年後、バスの中で偶然、歩道を歩く彼を目にしても、バスから 降りなかったという。 まだ気持ちが残っていたのに… なんとなくそういうのって美しいなって思ってしまうのは 私がオバサンになったからなのでしょうか?? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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