キョーフの担当医
晴れ。また歯医者ネタである。歯医者に通って分かったことは、「担当医に一度不信感を抱くと、治療が非常に恐ろしくなる」ということだ。週に一日だけ来るという私の担当医、前回は40分がかりの苦戦の末、歯を1本抜いた。その後の5日ほど、私は疼くような痛みに四六時中苦しみ、仕事もうわのそらであった。昨晩、抜歯後初めてまた歯医者を訪ねた。担当医は待合室から目が合うと、不自然に会釈をしてきた。また目が合うと会釈。「実はもう入ってくださいっていう意味なのか?」という疑問がわき上がる。が、そうでもないらしい。そして治療がはじまった。いつも私はこの担当医の言動からそのキャリアを探っている。そして、いやな予感に近づくような、この担当医への行動を目の当たりにしてしまったのだ。昨日は小さな虫歯を削って詰め物をした。口の中でモゾモゾ色んな事をやっているのだが、なんというかやたらと「ごめんなさいね」を連発するのだ。それはいいのかもしれないが、そこまで「ごめなさい」なことをされる覚えもないので、「ごめんなさい」なことをしているのか?!と思ってしまう。ハイともいえず、うなずいても手元が狂われてしまいそうなのでただ固まっていた。そして担当医は助手に「テープとってください」と低い物腰で尋ねた。「テープ?えっ?」と困る助手。「助手はまだ新米なのかなあ」と思いきや、担当医は「あれっ、これなんて言うんでしたっけ?」と助手に尋ね返しているのだ。「これは××です」と教えられているではないか。その時から恐怖倍増である。そして、またまた非常に時間がかかるのである。「ゆっくりやってますからね」…口の中で同じ作業が何度も繰り返されているような気がしてならないのだが…。奥歯に大きな虫歯があるので、次はこれを抜きましょうかと言われた。前回抜いたのは前歯。奥歯はますます抜きづらそうである。今度は一体何十分コースなのだろうか。また「う~ん」という小さなうめき声を聞きながら、痛みに耐えるのだろうか。どうやらもう後にはひけないようである。