前々の日記、前の日記からの続きになりますので、お読みでない方は先にお読みくださると話が分かります。
そしてこれが闇話の最後になります。
そんな中学三年の頃、父が大変なことをしてしまった。
家に留守番をしていた私は、その日胸騒ぎがしていた。
突然電話が鳴り、母の震える声が聞こえる。
父が交通事故を起こし重体、一緒に乗っていた弟は怪我、従兄弟は脳しんとうで意識がないと言う。
急いで病院へ行くと、数人の警察官がたむろして何やら話していた。
母が重々しく言う、「お父さんはもう命が助からないかもしれない。覚悟しておきなさい。」
私は混乱して泣きじゃくり、警察官につかみかかった。
でも母は涙を流してなかった。(と思う。。。)
今まで憎んでいた父だが、この時始めて父に助かって欲しいと思った。
カっとなって「お前なんて死ね!」と言ったことを責めた。
病院では長い時間が過ぎていく。
そして生きて欲しい、その願いが通じたのか父は奇跡的に助かったのだ!
腸を幾らか失った父、その頃から父との仲が修復されていったんだと思う。
ボロボロになりながらも、その後どうにか希望の高校へ入ることができた。
そこを選んだのは、立前では制服が可愛かったからとか、好きなことができるからとかって言ってたけど、本当はなるべく住んでいた所から遠くへ行きたかったから。
自分を知る人があまりいない所へ逃げる目的だった。
あの頃は、逃げることで必死だった。
そこで生まれ変わりたいという思いを胸に。
今までのムっとしていた顔から頑張って笑顔を作ることにした。
すると以前の「いつも怒ってる?」から、「いつもニコニコしてるね」「笑顔がいいね」と周りから言われたのだ。
ひどく嬉しかった。
幸い高校の三年間は自分と同じ目標の者が集まるだけあって、今までの人生を取り返す感じがした。
楽しく笑うことができ、幸せに思える時間。
友達もでき部活に燃える(?)。
とにかく楽しむこと、楽しませることを考えた。
バカになろう、バカでもいい。
そして両親も「もう大人だから」と束縛をしなくなっていった。
その頃から醜く崩れた顔も次第に元に戻っていったのです。
でも私には克服しなければいけないことが一つ。
今まで受けた暴力のせいで、極度の男性恐怖症になってしまっていた。
男の人が近くに来ると、金縛りのように首が固まって動かなくなる。
何とか顔は見れても、極度の緊張から話すことができない。
こんなんじゃ、一生彼氏もできないよ。
いつも空想の中で、男の子と楽しそうに話している。
それが現実だったらどんなにいいか。
一度友人に背中を押され無理やりBDにチョコを渡したことがあるが、やむなく玉砕した。
16年間生きてきてやっと好きになれた男の人だったのに。。。
やっぱり男なんて嫌いだ!
そんなワケで男とは無縁の高校時代だった。
この世に楽しいことなんて一つもない。
生きていてもしょうがない。
と思っていた私だが、漫画を描く以外にずっと続けていたのがピアノだった。
嫌なことを忘れたくて、無心で何時間も弾き続けた。
そして忌まわしい過去と決別する為に上京を決意。
「音楽の学校へ行きたい。」
ところが親は猛烈に反対した。
近くのいい大学へ行って欲しかったらしい。私の成績じゃ絶対無理なのにさ。
しかしあの頃の自分は、親を説得し何が何でもやり遂げるしかなかった。
もう後戻りはできない。
その甲斐あってか、無事に進学することができた。
そして上京。
その後も順風満帆とはいかないけど、あの時死ななくて本当によかった。
臆病で死ねなかったことに感謝する。
とにかく生きていればいいのだ。
苦しんだことで、少しは人の気持ちを考えれる人になれたと思う。
辛い経験、それは消し去ることはできないが、乗り切った分だけ強くなれる。
今も私は一つも立派な人間じゃないけど、
この世に楽しいことなんて一つもない。
生きていてもしょうがない。
そんなことなかったと言える。
あの頃に戻れるなら、傷ついた自分に言ってあげたい。
「キミは一人じゃないよ、大丈夫」
子供の私は情けなく弱い人間だった。
いじめっこに一度だけ反撃したことがあって、その時はかなり効果があったように思う。
すぐに強くなれなくとも、少しの勇気、それだけで違ったのかな。
今思えば親も私のことが憎かったワケではなく、一生懸命だったのだと思う。
でも子供の私にはそこまで考えられなかったのね。
厳し過ぎた両親、長い反抗期で「オマエらなんて大嫌い!」と家族に言ってた弟と本当の家族に戻れたのは、やっと大人になってからかな。
長過ぎた冬、時が解決することもある、本当にそう思う。
今はあの頃が懐かしいです。
男性恐怖症だった話は、また今度機会をみて書きますね。
長くってごめんね。そして読んでくれてありがとう。
『心の闇』は、フリーページに整理して入れておこうと考えています。
何か思う事があれば、コメント残していってくだされば嬉しいです。
※これは過去のことを書いているものです。