カテゴリ:読書
![]() 作者:吉田秋生 出版社:小学館 あれから18年・・・ 静(せい)の元を去ったケンとルー・メイは、ケンの故郷ハワイ島で農園主夫妻として暮らしていた。2人にはアリサとシンジと言う2人の子供がいたが、アリサは18年前の沖縄の一夜で出来た静の娘だった。しかし、静からホモサピエンス・ネオジーニス(進化した人類)の遺伝子を受け継いでいるアリサの秘密が漏れる事を恐れる静(世間的には雨宮凛)やケンたちは常に警戒を怠らず、アリサ本人にさえも実の父が静だとは知らせていなかった。 18歳の美しい娘に成長したアリサの前に、ある日、若い時の静にそっくりな男が現れる。 一気に読んで、おもしろかった~!って思ってたけど、後から 何か腑に落ちない気持ちが広がってきました。 なんだろ・・・って考えて、思い当たったのが、静のクローンである セイ(死鬼)が、なんでそこまで人類を憎んでいるのか・・・ってこと。 神経細胞成長因子を組み込まれたDNAを持つ天才的な頭脳と運動 能力を持つ静のクローンとして生まれた死鬼が、快楽殺人者として 育てられたとしても、18年前に凛が起こそうと思ったバイオ・テロを 企てようとする気持ちもよくわからないし、唯一自分と同じ 世界を共有できるアリサを欲しがる気持ちもよくわからない。 快楽殺人者なら、今の置かれている理不尽な立場を呪う・・・ってのも 矛盾してるような気がする。 静の挑発に乗って、憎しみの全てを静に向けるのも、ちょっと 単純すぎるような・・・。もっと頭がいいはずなのになぁ~。 前作の夜叉では、凛の心の葛藤なんかがとても丁寧に描かれて いたのになぁ・・・。 そしてラストが「いよいよこれから死闘が繰り広げられるのか・・・」と 思ったら、あっけない幕切れで・・・。 あれ?もう終わり?・・・みたいな感じだったなぁ~。 とはいえ、とてもおもしろかったし、番外編も載ってて、元気な 静にも会えたし、嬉しかったなぁ~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.06.03 19:18:38
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