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カテゴリ:小説・コミックなど
集英社の「コーラス」は創刊当時の勢いはないものの、一条ゆかり御大の「プライド」が一人気を吐いており、必ずチェックする雑誌である。いつもは読みはするものの購入はしないし、ましてや別冊は読みもしない。...のだが、今回は特集がベルばらだったのでつい買ってしまった。私はホントに、ものすごっくベルサイユのばらの大ファンなのだ。
肝心の内容はというと、宝塚と原作の名場面の比較がメインで、特に目新しいものはない。あの、くらもちふさこ先生が自作でオスカル人形をつくったり、人気漫画家諸先生によるベルばらへのトリビュートコメントは中々面白かったけど。 マリーアントワネットの生誕250周年にあたる今年は、宝塚で再演も決まっている。でも、なんとなーく今までの再演時よりも盛り上がりに欠けるような気がするのはなぜだろう?ローソンでポスターをはってたり、今回みたいに雑誌とコラボったりいろいろやってるのが逆に一生懸命過ぎて見えるからかなぁ。 宝塚はスターシステムが要。そのために組のバランスを考えた脚本が、かなり「歪む」ことが気になってしまうので今回の再演は観に行かないだろう。私は宝塚のベルばらも好きだし、このスターシステムはいいところでもあるので、構造的に仕方ないんだけどね。どっちかというと、ヅカは他の演目の方が面白いものがあるかもしれないなぁ。 むしろ私は、あまりにも普及した宝塚的なイメージ(パロディも含めて)が強いためにベルばらが誤解されていてるんじゃないかなぁと、ファンとして気になるのだ。 登場人物は皆きらびやかな衣装、目に星。 なんだか大袈裟で、前時代的なクサい台詞を臆面もなく吐いていて... みたいなイメージが先行してしまって、食わず嫌いの人がいるんじゃないかと思う。あんなに骨太で、奥深くて面白い作品なのに勿体無いなぁ。 確かに時代設定とか環境が特殊なものを扱ってるけど、描かれてるのは制約の中で懸命に生きる人間の宿命だ。自分の意志に誠実に生きようと悩みもがく人々の姿は今なお普遍的で、決して色褪せない魅力を放っている。 有名な史実に独自の解釈も織りまぜ、架空の人物を混在させても物語が破たんしないのは、キャラクターの設定と造型がしっかりしてるから。これを20代半ばで描き切ってしまう池田理代子先生の超人的な頭脳とパワーには驚愕する。本当に、何度読んでもよくぞ描いてくれたなぁと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年01月15日 22時51分13秒
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