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☆☆riri☆☆@ Re[1]:小池さん去る(03/30) Onmaさん  素敵なコメントありがとう…

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2006年06月17日
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カテゴリ:映画・舞台など
 映画を観るなら、断然、映画館で観るのが好きだ。
 だって、「一期一会」だから。
 なので、DVDで観るのは基本的に「封切時に見逃がしたもの」になりがちなのだが、映画館で観てDVDでまた観る位、気に入る作品もたまにある。
 犬童一心監督(特番の「愛と死を見つめて」の監督)が撮った「ジョゼと虎と魚たち」はそんな映画のひとつで、邦画の恋愛ものではかなり好きな作品である。3年前に観て以来、ずーっとまた観たい観たいと思い続けていたのだが、先々週、ようやく念願が叶った。
 .....やっぱり、いいなぁ。
 若い頃しかできない、瑞々しくてきらきらした恋愛を描いていると思う。

ジョゼと虎と魚たち 通常版 ◆20%OFF!

 まず、渡辺あやの脚本がとてもいい。原作の設定を踏襲はしているが、細かいキャラの造型やストーリーはほとんどオリジナルだ。田辺聖子の原作は本当に短い寓話的な物語で、結末らしい結末がない。
 タイトルの「ジョゼ」はヒロインの名前。
「虎」は、本当に好きな人ができたら、その人と「一番恐いものを一緒に見たい」と彼女が願い続けてきたから。
「魚たち」は...映画を観て!って感じだなー。

 舞台は大阪。生まれつき脚が不自由な障がい者で、貧しい祖母と二人で生きる女の子(池脇千鶴)がヒロインだ。両親もいず、義務教育も受けていない彼女は祖母が拾うゴミの中にある大量の本を読みながら知識を身につける。本名ではなく、憧れるフランソワーズ・サガンの小説のヒロインから「ジョゼ」と名乗る彼女は、他人から請われたことがなく、外界から遮断されて生きる風変わりな女の子。...というといかにも「不幸オンパレード」だが、施設育ちのジョゼはその実、めちゃめちゃ気が強く腹が座っっている。一見、ふてぶてしく生意気に見えるくらいで。
 特殊な環境に育った為にイマドキ感がない。何者にも動じないように見えて、繊細。自由を渇望しつつも外に出ることができない。そして学校に行ってないのに知的で.....という、役柄の造型は相当難しいものがあるのだが、池脇千鶴の「ジョゼ独特の語り方、動き方、表情」を徹底的に追求した演技はとても見事で、もっと評価されてもいいんじゃないかー!と感じてしまう。ヌードばかりが取り上げられてちょっと気の毒だったなぁ。  
 こんな彼女と恋に落ちるのは、「イマドキな」お調子者の大学生、恒男(妻夫木聡)である。優しくてルックスもいい彼はそこそこモテる。関係だけのセフレもキープしつつ、チャンスがあればフツーに他の女の子にもちょっかいを出す。彼の設定は原作には全然ない部分で作り込まれていて、またそれがとても役柄に合っていて無理がない。
 恒男はバイト先で妙なうわさを聞く。「早朝に猛スピードで乳母車を押す怪しいばーさんがウロウロしている」。この朝の散歩は、ジョゼを絶対に外界に出したくない祖母が唯一認めた外出だったのだが、この散歩中に恒男と乳母車に入ったジョゼが出会う。
 その後、ジョゼ宅で彼女が作る美味しい朝食に味をしめた恒男は、それから何度か行き来をするようになる。特に「昼間」の世界に彼が乳母車を引いてジョゼを初めて連れ出すくだりは、とても疾走感があっていいシーンだ。
 それからの二人の関係は....「ジョゼの為にできることをしてあげたい」と恒男が願うようになり、徐々に変化していく。
 しかしジョゼは家の中でしか生きたことがなく、外に出るのを禁じられている。そして恒男は、ある意味守られた祖母との生活を脅かす侵入者でもある。なので、彼女としてはジレンマに陥りつつも拒否するしかないのだ。一方、恒男は彼女の背景を考えると今一歩踏み込めない。彼は懸命に忘れようと試みるが...できなかった。
 この二人の心理的な「枷」がとても障害装置としてよく働いていて、観ていてとても切なくなる。
 ジョゼは彼に自分の身の上話をしたり、愚痴ったりすることがない。タフで強い。
 そして、恒男が本当に自分を好きだと判るまでは、溢れる感情を押さえていた。他の女の子が、もっと早い段階でまんまと恒男に篭絡されたのに比べたら大違いなのである。
 そう、やっぱりTRなのである!←どこまでもTR目線....

 結ばれた二人は、それから20歳前後のフツーの若者達のような「怒濤の時期」に入り、その後は緩やかに倦怠の波がやってくる。余りに楽しくて幸せで密着し過ぎたりとか、恋愛以外のことはどーでもよくなってしまう経験がある人は、私も含めてこの一連の流れがとても判ると思う。
 まだ、結婚が考えられない。必ずしも結婚に結びつく恋愛ではない。
 お互いにどこかでそう判っていて、でも目の前に相手がいると、やっぱり愛おしくて離れられないのである。
 二人は同時に一抹の不穏感を抱きつつ、最初で最後の旅に出る。
 
 それからしばらくの後、二人は別々の道を歩くことになるのだが...。
 そりゃあ、これ観たら田辺聖子先生もダダ泣きするわ!って感じなのよ~。
 音楽を担当しているくるりも、とてもいい仕事をしていて、それもまたよい。
 とてもlyricalな映画なので、興味がある方は是非観てみてほすぃ。
 





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Last updated  2006年06月17日 11時17分56秒
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