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カテゴリ:みかん箱 (未完小説)
****リゲンの隊の人たちと
「じゃあ、みんな反対だっていうの?」 呆気に取られたようにサラは言う。リゲンの下にいた隊だっていうのに、どうして話に乗ってこないのか。 「あんたになんて従えるか」 「どうしてよ」 「無謀に過ぎる。たいした腕も無いくせに」 「あんたはリゲン様じゃない。似合いもしない剣をいつまでも下げてないで、相応に機織りでもしていればいいんだ」 「あたしは!」 「リゲン様がどうおっしゃったかなど問題ではない」 「……あなたたちも、認めないってわけね」 ヨギが、そう言ったように。 「そういうことだ」 「わかったわよ。このわからずや! いいわよ。一人でやるもん。あたしは勝手にやらせてもらうから!」 「好きにすればいい」 ***** 一人、取り残されてしまった。自分を 『認めない』 と言われたのだ。リゲンの存在の大きさを、あたしは知らなすぎたんだな……サラは思った。どんなに強くて、大きくて……。 「まずいなあ」 ため息をつく。 「結局あたしは何もわかっちゃいなかったのかしら……」 「よう」 「……シイナ。どうしたの? ……なにか用?」 「落ち込んでるんじゃないかと思ってな」 「……まあね。ここまで思い通りにならないなんて思わなかった」 「それだけあいつの存在が、大きかったってことだな」 「あたし、引けはとらないつもりなんだけどな」 「あんたは、ここにいたリゲンをしらねえからなあ」 「あたしじゃ、だめ?」 「……そうじゃない。あんたがどうというんじゃなくて、あいつの代わりは誰にもできないってこと。あんたの代わりを俺がやれないようにな」 サラは思い出す。ラカの代わりなど誰にもできないと叫んでいたリオ。 「……そうか……そうよね」 「やけに素直だな」 「……やっぱりあたしが莫迦だった。みんながあたしを気にいらない理由、やっとわかった気がする……ありがと。シイナ」 サラは目を閉じ、深く呼吸した。 「あたしはあたしとして、認められなきゃいけないのね……リオの代わりじゃなく……」 *****どことの戦? シェグリダとシルベリルド、どっちが先? 「あたし、振るえるのって剣だけじゃないのよね」 呆然としているシイナを脇に、サラは言った。 「しっかりしなさい、シイナ。あなたは自分で来ると言ったのよ?」 それはサラが自分自身に言い聞かせているのかもしれなかった。 「……勝手にやらせてもらったから出来たことだし、本当は絶対に使わないという約束だったの。もうこの力は使わない。でもこの場合、仕方ないよね。反則じゃ、ないよね」 言葉を失ったまま、シイナはサラのことを見る。 「あんた……いったい……」 今のは何だったんだ。シイナにはわけがわからない。 「内緒にしてね……ってバレるよねやっぱ。ああああ~」 +++++ ランキングに参加しています。よろしければ拍手がわりにポチッと押していただけると嬉しいです。 励みになります。がんばれる気がします。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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