メシアン
イヴォンヌ・ロリオが亡くなったという短い訃報記事を見ました。亭主は20世紀以降の「西洋クラッシック音楽」をあまり好きではないのですが、オリビエ・メシアンはその中でも例外の一人です。ピアノをやっていて多分最初に出会う彼の曲があの「みどりごイエスに注ぐ20の眼差し」。これを若きミシェル・ベロフが録音したレコード(今でもCD共々持っていますが)を初めて聞いた時の衝撃はいまだ記憶に新しいものがあります。(とにかくリズムの感覚がすごい...)こうしてメシアンの作品に触れ始めると、ほどなく彼の作品の主要な演奏家としてイヴォンヌ・ロリオの名前にしばしば出くわすようになります。亭主のLPコレクションの中には、その昔エラートが出した「メシアンの芸術」という全12巻のうちの半分ぐらいが残っていて、当然のことながらそこでも彼女は活躍しています。めぼしいところでは「8つの前奏曲」、「4つのリズムの練習曲」というピアノ作品が入った1枚、それから「神の降臨のための3つの小典礼」という声楽曲の1枚。残念ながら、どういう曲だったか思い出せないのですが...例によってウィキペディアを覗いてみると、彼女は「パリ音楽院における初見演奏の課題曲としてメシアンが作曲した《ロンドー》により、ジャン=ミシェル・ダマーズと首席を分け合った(1943年)」とありました。実はこのダマーズ、亭主が「CDでどうしても手に入らないのでLPからイタ出しした」作品、「フルートとハープのためのソナタ」の作曲者でもあります。(ちなみにLPは往年の名手、ランパルとラスキーヌによる演奏で、この曲は彼らのために書かれたもの。)ダマーズさんはまだご存命のようで、メシアンのような「前衛的な」音楽には背を向けてこのような優美な作品をものされているらしい...おっと、話がそれました。ベロフもそうですが、メシアンのピアノ作品を聴かせられるピアニストは、多分極めてリズム感の鋭い演奏家なんだろうと想像します。昔「鳥のカタログ」をロリオのレコードで聴いた覚えがありまが、鳥のさえずりから引き出されたとても複雑なリズムに目を回したような印象があります。これを機に、彼女の演奏にもう一度耳を傾けてみようかな...(合掌)