ゴミの日来るまで

　うーん、体調が思わしくない。熱っぽいような気がする。こんなときは、ご飯をしっかり食べて、食後にジンを飲むに限る。
　ジンって、もともと解熱剤として発売されたんだよね。
　病は気から。無敵だと信じていれば、ウィルスなんか消えちまうさ。
　そういえば俺、昔は病弱だったんだ。
　小児喘息。
　毎年冬になると咳がひどくて、冬はいつも病院で過ごしてた。入院だよ。あのクソッタレな白い壁。いまだに嫌いだ。だから俺、清潔な白い部屋が嫌い。生活感のない部屋とか。真っ黒で暗い部屋のほうがぜんぜんいい。
　入院中の無菌室で食べたケーキがうまかったって話したっけ？あれはうまかったよ。忘れっぽい俺にしてはめずらしく、どんなケーキだったかまでおぼえてる。
　家にはどでかい吸入マシーンがあってさ。家で寝てると、夜中に咳をしまくるときがある。そのたびにｶｰﾁｬﾝが起きてきて、吸入マシーンで治療。落ち着いたら寝る。で、また起きて咳。そして治療。繰り返し。
　苦労かけたな～。
　いちど入院中に、喘息がやっと治ったって時に、院内感染で風しんにかかり、死にかけたらしい。今と違って医者は絶対だったから、そんなに文句言うこともできず。うちの親は大変だっただろうな。
　点滴のしすぎでもう腕に針刺すとこがなくなって、足で点滴したり。おかげで点滴とかには慣れたぜ。
　俺はそういう生活も当たり前だと思ってたし、ぜんぜん苦労したとは思ってない。毎年咳き込んで呼吸困難になったけど、そんなにつらくなかったよ。そりゃ、咳してるときはきついけど。別にそれが日常だったし、普通だった。
　うちの親はきつかったと思う。仕事もあるし、夜中に起こされたり、病院に見舞いにいったり。でも、そのことで弱音とか苦労したって言葉は、一回も聞いたことない。まじで、24年間で一度もない。思い出話で、「あのころは・・・」みたいな話をすることはあるけど。
　親とはそこまで仲良しじゃないし、衝突することもあるし、ちくちょーって思うこともある。けど、そんなんどうでもよくて、やっぱすげえよ。なかなか言えないけどね、こんなこと。

　今日は母の日。

　ＫＯＫＯＲＯちゃんねる

　↑ここのｶｰﾁｬﾝフラッシュでも見てください。