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小さなkitchen-Garden

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2014/01/28
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世界遺産法隆寺の魅力

 

実は、子規の「柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺」の鐘の音は、鐘楼の鐘の音ではありません。 

その鐘を探しに西の方に行ってみます。一旦、西院伽藍の入口まで戻り、西室の方に行ってみます。西室は西院伽藍の西にあり、西回廊からは少し離れています。

 

【三経院(さんぎょういん)・西室(にしむろ)】国宝<鎌倉時代>

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三経院は、聖徳太子が勝鬘経・維摩経・法華経の三つの経典を注釈されたこと(三経義疏)にちなんで、西室の南端部を改造して建てられました。現在も毎年、夏安居の3ヶ月間(5月16日~8月15日)、法華経・維摩経・勝鬘経の講義を行っています。

奥行(桁行)は十九間で東室より一間長い。三経院には南側の七間を使い残りの十二間を西室としている。西室は焼失後の再建です。 

 

【西室(にしむろ)入口】

PC080054.JPG

 

丸瓦の文様には、徳川家の家紋「三つ葉葵」がなく、桂昌院の実家・本庄家の家紋「九目結紋」だけがあります。全部が「九目結紋」ということではありませんので、ぜひ探してみてください。

 

三経院の左側を少し歩くと石段があります。その石段を登ると、八角の「西円堂」に到着です。

 

PC080055.JPG

 

ご覧のようにこの日も誰もいませんでした。ほんとうにひっそりと静かでした。 

 

八角造りの円堂は西院伽藍北西の小高い丘にあります。

 

奈良時代に橘夫人の発願によって、行基菩薩が建立したと伝えていますが、現在の建物は鎌倉時代に再建されたものです。そのお堂の中央には、わが国最大級の乾漆像として知られる本尊薬師如来座像:国宝(奈良時代)が安置されています。

薬師如来座像は、少し高台にあるので「峯の薬師」とも呼ばれていますが、27段の石段上で峯ではちょっとおかしいですね。

【西円堂】国宝<鎌倉時代> 

PC080056.JPG

 

創建当初は、向拝(写真の左の建物)はなく夢殿のような八角円堂でしたが、後に付加されたものです。創建当時の思想を重んじて、円堂と向拝は一つの建物とはせず、西円堂の屋根下に別の建物の向背を潜り込ませた構造になっています。

「聖徳太子は多数の人間が一度に喋る内容が聞き分けられた」いう伝説に基づいて、西円堂の錐(きり)で耳を突くとよく聞こえるようになるとの言い伝えが出来たのではないでしょうか。耳の病気を治す医師・薬師如来ということで、錐を耳に当てお祈りいたしますと耳の病が治るそうです。錐を買い求める方だけでなく錐を奉納する方もおられるそうです。

西円堂の東側に鐘楼があります。実は、これは時を知らす鐘で、正岡子規はこの時の鐘の音を聞いて「柿食えば・・・・・・」と詠ったということです。

 

【時の鐘】

PC080057.JPG

 

時の鐘は字の如く時を知らす鐘で、最初は8時の鐘で法隆寺の一日が始まります。それ以後2時間おきに時間の数だけ衝かれます。これは昔の一刻(いっとき・一時)の2時間を意味するのでしょう。8時は鐘が8回、次の10時では鐘が10回衝かれ、12時、2時、4時の計5回衝けば終わりです。
昔は1時間は半時(はんとき)、30分は四半時(しはんとき)と言いました。

 

花子規が、抜けるような秋空のもと、そそり立つ法隆寺の大伽藍を見ながら茶店で柿を食べていると、すぐ近くにある西円堂の鐘楼から時を告げる鐘の音が響き始めました。鐘の音は、法隆寺の裏山にこだまし、微妙なうねりを伴いつつ斑鳩の里に伝わっていきました。子規は、手にした柿を食べるのを忘れて、自分の身を包み込む荘重な鐘の音に聴き入ったのでしょう。

《続く》






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Last updated  2014/02/21 04:37:13 PM
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