何故か若い頃からお店の立上げに
名を連ねる事が多かった
勿論その頃はエンドロールの最後の方に
ちょこっと載るぐらいの存在
それがいつの間にかテーブルの真ん中付近で
指揮を執るようにようになっている。
どうして自分でやらないのかと言われるが
ひとつに資金面
良くも悪くも執着心があまり無く
「器用貧乏」などともよく言われる
もうひとつは見すぎた事
オーナーになるという責任は果てしなく重い
遠近の視野、前後の方向感覚、左右の平衡感覚
更には思い切り
つまりは器の問題である。
少々お金があるからといってその安易さ故
前後も分からず始めてしまうオーナーも数多いが
それなら別の商売への投資を勧める
投資額に見合わないし儲からない上難しい
飲食店は止めた方がいいとアドバイスする
決して「おいしい」商売ではない
しかし「食」という人の源へ挑戦する事への喜びはひとしお
奇しくも野心家でないからこそ
この仕事を続けてこられたのかもしれない
少なくとも私がオーナーの店はきっと儲からない
でも「おいしい」店をつくる自信は絶対にある。
つづく
*ここで言う儲かるとは「大手チェーン店」クラスの店を指す