美味しいワインと出会う旅

2012/11/20(火)05:36

シック アズ シーヴス ザ ショーポニー ソーヴィニヨンブラン [2011]

オーストラリア(239)

 ■シック アズ シーヴス ザ ショーポニー ソーヴィニヨンブラン [2011] Thick as Thieves The Show Pony Sauvingon Blanc 【出荷:7~10日後】友人から頂いたワインです。オージーのトップ・ソーヴィニヨン・ブランと言う事で・・・雑念無く、値段も調べずに飲んでみました。非常に凝縮感のあるワインで丁寧に作られているのが分かります。ニューワールドのソーヴィニヨン・ブラン的な若草の香りを出したタイプでは無く、個性的です。フランスのロワールのフュメやサンセールとも違います。強いミネラルと厚みのある果実感は素晴らしいのですが、何かインパクトのある個性が無い、テロワールを感じさせる香りに乏しい様に思います。寝かせて飲むと違うのだと思いますが、正直言って飲み疲れするワインです。頑張って作り過ぎかな・・・販売店資料よりこれは普通に予想できる以上のアロマや陶酔するような素晴らしいテキスチャー、そして酵母の風味をもつ、驚くべきソーヴィニヨンブラン。12ボーメで収穫し、ハーブの爽やかさとオリの複雑味の間には自然な酸とフレーヴァーがしっかりと入り込みました。全房プレスでタンクに入った後は、3日間冷却し、ジュースは旧樽フレンチオークへ移されます。言い換えれば、テキスチャーこそが最も大事な事なのです。そしてワインボトリング前に3ヶ月熟成されます。香りとしては、新鮮なエンドウ豆やリンゴの花、柑橘類やブラックカラントのつぼみなどがあります。ワインは口中では控えめで軽やかですが、核にはパッションフルーツやいらくさなどのフレーヴァーがぎっしりと、しっかりと入っています。豊富な酸が全体を常に導き、そこにオークが複雑味と、わずかなバニラの甘みを加えます。バランスが非常に良く、長く引き締まったフィニッシュです。良質のソーヴィニヨンブラン以上のソーヴィニヨンブランです。シックアズシーヴスはヤラをベースに冷涼なこの土地に昔からずっとあるぶどうを利用して少量ずつ細かく丁寧に手作りをしているワイナリーです。   最初から最後まで細部まで気を配り、出来る限り余計な手を加えないワイン造りはフレッシュでミネラル感にあふれたテキスチャーとバランスを生み出します。これらのワインは、ただ品種の違いによるものだけではない、大きな違いを持ちます。このワインがは高品質なぶどうが丁寧に扱われ、ぶどうそのものも良さを生かす≪手を加えない≫ワイン造りとすると、こんなにも素晴らしい出来になるという良い例です。 シーヴスはシドという、たった一人の男によってヤラで作られています。10年に及ぶ、ヤラのトップワイナリーでのワイン造りの仕事の後、ワインメーカー・シドの醸造家としての時計は進み始めました。彼は自分自身の愛するベイビーをいよいよ造り始める時期が来た事に気付き、そして自身のワイナリーをスタートさせました。シックアズシーヴスはさまざまな手法で色々な品種やスタイルに挑戦しています。シドはただ売るためや流行のワインではなく、自分が飲みたいと思う面白いワインをつくっています。   私は最近、元ワインスペクテーターのライターで、世界的に著名なワイン評論家ジェームスサックリンと一緒にオーストラリアを周った。ある日の寒い朝、ヤラバレーで400種類の白ワインのブラインドテイスティングを行った。テイスティングを次々とすすめていくうちに私の嗅覚は松の葉のとスパイスの香りに打ちのめされていった。 そのワインを口に持って行ったとき、その瑞々しい美味さに思わず吐き出すのを忘れて飲み込んでしまった。あとでノートを見直すとわたしはそのワインに94ポイントを与えており、そのワインはシックアズシーブスという聞いたこともない生産者のシルヴァーナーだった。なんだかヒップスターのような響きであったが、やっぱりそれはシルヴァーナだった。どんなに格好よいかと聞かれると、、、めちゃめちゃ格好良い!としか答えようがない。偶像破壊で、信じられないくらい美味い、これを買わない人がいられる方がおかしい。

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