room47

2010/02/08(月)13:54

上手なひと。

レンタルDVDを借りて、「めがね」って映画を観たんです。 いつかの日記にも書いた「プール」とか、「カモメ食堂」とかを作った人たちの映画です。 僕は、この人たちの作る映画がとても好きで。 “stillness”とか“静止感”とかって僕が名づけてる空気が、あふれてる。 その「めがね」のなかにこんな感じのせりふがあるんです。 「この島には、たそがれるのが上手なひとが集まってるんです」 「たそがれるのが上手」って、そんなことば、生まれて初めて聞いたぞ。 「たそがれる」も「上手」もたくさん聞いたけど、このことばは初めて。 なんか、すごくないですか。 23歳の社会人が「生まれて初めてのことば」に出会ったのであります。 新しいことばが入ってきて、新しい着想が生まれて。 それは、すごくミニマムな意味での、生まれかわりなんだと思うのであります。 この生まれかわりがあって、今僕が思っているのが、「困るのが上手なひと」になろうってことで。 というのもですね、僕が一緒に働いている人たちは、みんなすごい人たちですよ。 すごく優秀で、頭がよくて、賢くて。 僕が困ってることなんて、「ふふ~ん」って感じでやっつけちゃう。 そのたびに僕は、「うわ~、かなわないや」って思ってしゅんとします。 でもね、僕もこの春で社会人2年生になるんです。 2年生がいるってことは1年生もいます。 1年生がみんな最初からすごかったら、かわいくないです。 僕が困ったこと、同じことで困るひとが、きっといるんじゃないかな。 そういうひとに手を差し伸べることは、もしかしたら僕が上手にできるかもしれない。 困ったことがあるひとじゃないと分からないこと、きっとあると思うんです。 それならば、僕は困ったときにちゃんと困るっていうか。 安易な横道に逃げないで、真正面から困るっていうか。 そんな風に、「困るのが上手なひと」になろうかと思ったのです。 それって、ちょっとオリジナルでおもしろいかもしれないって、ね。 僕ん家のオーディオは安物で音質がぜんぜん良くないのですが、 ビートルズとかクイーンとかエアロスミスなんかは、こっちの方が味が出て好きです。 優秀であることがすべてじゃないぞ。 自己肯定の、理論です。

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