2010/07/09(金)09:18
理由。
日本はすでに負けちゃったワールドカップですが、大会は続いてますよー。
ベスト8から先の試合、「これぞワールドカップ!」てな光景が盛りだくさんです。
深夜帯の時間が増えてきてしんどいけど、その価値があるから、見ちゃうんだ。
今大会を見ていて感じるのですが、いわゆる「番狂わせ」と呼ばれるような試合を含め、
「偶然」が勝負を分けるということは、ないんだなと思うのです。
勝った側に勝った理由があるか、負けた側に負けた理由があるか、あるいはその両方か。
「理由なき結果」というのは見つけることができないのです。
面白いのは、その「理由」になるのが技術的な力量というよりも、
チームや個人としての精神性であるところで。
勝つためによりリスクを冒したチーム、集団としてまとまったチーム、
誰もが献身的に走ったチーム、逆境に動じなかったチーム、
そういったチームが勝ち進んでいるなあという感じがしているのです。
それが顕著だったのが準々決勝「ブラジル-オランダ」の試合。
前半素晴らしいプレーを見せてリードしたブラジルがオウンゴールと味方の退場で浮き足立ち、
後半に逆転を許して敗退したあの試合。
技術的な力比べでは、ブラジルが圧倒していたのです。
「普通の試合」であれば、ブラジルが勝っていたはずでした。
そこに2つのいわば「事故」が起こって、非常事態になったとき、ブラジルは脆かった。
精神的に混乱をきたし、自分たちのプレーを忘れ、ゴールの匂いが全くしない攻撃を繰り返して
試合終了。
勝負の怖さをまざまざと見せられた試合でした。
よくある「相手のシュートミスとゴールポストに助けられて虎の子の一点を守り切った」
というような試合であれ、
「シュートミスする理由」・「ゴールポストに当たる理由」が、相手側に存在しているものなんです。
もしくは、そういった幸運に恵まれる理由が勝った側に存在しているってこともあります。
勝利の女神がいるとして、多分すごく素直な人なんじゃないかな。
それでもって、これは決してスポーツに限られた話じゃないぞと思うわけで。
なにかしら「いいこと」に恵まれている人、その逆の人、
それぞれにその結果を引き寄せている何かがあるんだろうなと。
「自分の幸せをほんとうに真剣に考えているかどうか」がその何かだと僕は思うのですが、
結果だけを見てそれを欲しがるのではなく、その後ろ側にある理由を自分のものにするような、
そんな生き方で行きたいぜと思ったわけであります。
そんなこんなで、ワールドカップもあと2試合。
最後の勝者がどんな「理由」を見せてくれるか、楽しみにしながら。