2017/04/07(金)19:47
この頃の南仏田舎暮らし
何日か前の暗くなりかけた夕方、私は南仏の小さな町から
さらに小さな村に向かって車を走らせ、途中である忘れ物をし、
ユーターンをしようと小さな道路に入った。
そして町に戻ろうとしたら、一台の車がしっかり道路のど真ん中に
とまり、なかなか発進せずに堂々と居座っている。
仕様がなく、その車の横まで自分の車を進ませ、身振り手振りで
どっちに曲がるのと聞くが、むこうも身振り手振りで何か話して
いるがわからない。窓を開けると、車の中の男性が英語で
Do you speak English ? と叫んでいた。
あ、カップルでクリスマスの休日を南仏で過ごそうとしている人たちか。
イギリス人かなあ。それともオランダ人かなあ。
とっさに私は元気よく
Yes. と答えてから A little と付け加える。
男性は寒そうな表情で叫んだ。確かにとっても寒い夜だった。
We're looking for a hotel.
あ、ホテル探しているんだ。この冬の南仏の田舎で。たいがいの
民宿は閉まっている。町の中に結構素敵なホテルがあったなあ。
そう、思った時、もう一台の車が私たちの車の後ろにきて
クラクションを鳴らした。せかされて、思わず、
Please follow me.と、叫んで私は車を発進させた。気持ち007?あはは。
町まではほんの2kmほどの距離。カップルの車はしっかり私の
後をつけてきた。さて、ホテルの前のパーキングまで誘導したものの
肝心のホテルは真っ暗。
仕様がないので、その日訪れた素敵な民宿の話をしたが、
その民宿もやっているかどうか定かではない。
しかも葡萄畑のど真ん中に一軒立つばかりでほかには家はない。
カップルは大丈夫、ほかの大きな町まで走らせるつもりだから、ありがとう、と。
お互いに笑顔で メリークリスマスと言い合ってさようなら。
今朝はかすかな雪に覆われていた。昼近くには消えかけていた。
そして山に向かって20kmほど進むと薄っすらと積もる雪の合間に
広大なラベンダー畑が広がりさらに60km進むと雄大な山が見えてきた。
自然はなんて美しい。
最終的にディニュレバン Dignes les Bains という所にたどり着いた。
雪が結構積もったようで雪をかくブルドーザーが道路の雪をダイナミックに
すくいながら走っていた。スノータイヤの準備もしていなかったので、
これは助かった。
そういえば、途中の小さな田舎のレストランで食事した。
主人はイノシシの肉料理を食べていたが、ちょっと匂いがきついなあ、と。
いや、マトンなら私も大丈夫だけれど。羊さん、ごめんなさい。
そういえば、ラベンダー畑のど真ん中にミツバチを飼う箱が
たくさん並んでいる場所があり、やがて MIEL と書いた板が
あったので、そのミツバチ農家に行って主人は蜂蜜を購入していた。
農家の若い奥さんという感じの女性は、蜂蜜の香りで何の蜂蜜かわかるそうだ。
ラベンダーかローズマリーかタイムとの混合か、アカシア、いろいろ。
彼女のご先祖さまはノルマンディだそうで、ご主人も同じらしい。
彼女はしかし、太陽と青い空を一週間見れない場所には住めない、
と話していた。
確かに南仏は恐ろしく真っ青に晴れわたった日を見るのが当たり前。
確かに気持ちまで晴れる。
とはいいつつ、私はノルマンディのグレーな空の下に青々と
なだらかに広がる風景もなんとなく優雅で静かな印象で好き。
それにしても今日見た風景は美しかったなあ。
美しい犬や、雄大な風景の中に馬もいて。
皆さんにも美しいクリスマスが訪れますように。
イタリア出身テノール歌手ボッチェリの歌声を聴いて勇気をだしてください。 Canto Della Terra
ボッチェリの歌声を聴いてください。 彼女のために生きる
マンチェスター出身のバンド ベガジョーBeggar Joe
ベガジョーと知られる前のマンチェスターの
時の姿はこちらです。
街角で歌っていた時のベガジョーBeggar Joe 2007年
川下 笑里歌さんの心洗われるハープ演奏