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カテゴリ:BOOK REVIEW
ツチヤの軽はずみ/土屋賢二
週刊文春好評連載エッセイ 。booちゃんの書評で知り、軽く笑える読み物と思ったら、全然違った。「えっ、今の笑うとこ?」と何度バックしたことか。私の頭がついていけないせいもある。言葉遊びのようなだまし絵のような考えさせられる所が端々にあり、見逃さないよう注意しながら読んだ。隙あらば下手にとられ欺かれるようなスリル。それでいてほのぼのしたキャラクターを感じさせたり、一体この人何者? 絵もすばらしい!ここまで下手ウマ&キモカワってなかなかお目にかかれないのでは?それも悪びれもなく(そんな必要もないけど)堂々と描いてて、知的な文面とのコントラストがこれまた・・。イラストはサイトにも掲載されてる。これが世界中に公開されてると思ったらインターネットの脅威を感じる。 そんな無邪気な絵と憎めない作者のキャラに、ドラえもんののび太がかぶった。原稿が進まず、本業の教職もうまくいかず、かといって落ち込むかと思えば、いねむり(よだれを垂らしながら)。自分の欲望にここまで忠実でかつ人間らしいのは、のび太といい勝負。のび太と哲学者、どっちがどっちの仮面になっているのか。「こんな人なんや」と決めてかかると作者の思惑にまんまとはめられる気も。とらえどころのない人、と言ったほうが正しい。でもめちゃ笑わせてもらった。 ところで、この本図書館で借りてんけど、随所にやたらと髪の毛が挟まってた(??)。長いもので5cm、短いもので5mm。謎。 蛋白質ガール/王文華 読んでいて、この著者は絶対少林サッカーもしくはLOVE GO GOの関係者では?と思った。そんな私はアジアンカルチャーに対する知識は皆無。タケシを見て七人の侍を撮った人?って言うレベルかも。(少林サッカーは香港ムービーやし)でも三者共通して言えることは「新発見」。こんなおもろい世界があったんや~!容姿端麗・才色兼備なヒーロー・ヒロインではなく、等身大のちょっとかっこ悪い主人公たちは自分の分身。 台湾の若者の生態を微細に描き、台湾や中国でベストセラーとなった作品らしい。主人公ぼくとぼくの親友ジャンポーの会話がストーリーの約95%を占める。で、その会話の約85%(適当)を占めるのが固有名詞。丁寧な注釈も読み応えがある。アリー My ラブから阿Q正伝まで。西洋文化や日本文化の影響を強く受けながらも母国の文化を愛すバランス感覚がいい。 この本の魅力は、詩文のような文体。理想の女性を淡々と語っているようで、文章は見事に対をなしてる。原文はしっかり韻を踏んでいるらしいから、ラップみたいなんやろなぁ~(想像)。また、中国との国交状態や三国史のエピソードを男女間に例えたり。かと思えば「おなら」みたいなベタな笑いも満載。超うけた。「おなら」で笑いをとるのは万国共通なんやろうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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