僕は高校の頃陸上競技をやっていましたがあまり大した事なかったので大学に入ってからはやる気はありませんでした。
その頃広島大陸上部は中四国最強で(かなり徳山大学に押され気味でしたが)僕が入った所で活躍できる場も無くただえらい目に遭うだけのような気がしていたからです。
その頃はバブル景気に向かってまっしぐらの頃で、大学生はテニスサークルに入っておしゃれに遊びまくるものと思い込んでいました。
そんな折、とあるテニスサークルの方々がおそろいのパステルカラーのトレーナーを着て輪になって体操していました。
その中にK高の僕のライバルだった子がいます、僕はこいつの前途を想像して噴出してしまいました。
高校からテニスやっていた人なら体育会テニス部に入るはず、テニスサークルにいるということは多分素人、それも運動した事ないような素人のはず。
その中に100mを11秒台の前半で走るような鍛え上げられた奴がいるのです、お揃いのパステルカラーのトレーナー着て(笑)
その身体能力の差は大人と子供、他の人たちがヒーヒー言ってるのに一人だけ涼しい顔で駆け抜ける。
まるで一人だけ浮いて彼はサークル活動にいそしむわけです。
そりゃあ楽しそうだ、でもすぐ飽きるじゃろうな、わしなら半年も持たん。よってこの案は却下じゃ。
そんな時ふとグランドを眺めているとどこかで見たやつが走っています。
よ~く見るとH高のO本君(インターハイ8位)です。
「お?やつもいるのか」と思うともう一人見たことのある体型の奴がいます。
何と僕と同じ高校から来たI尻君がいるではないですか!!
I尻君とは高校時代から引くに引けぬ勝負を繰り広げてきたライバル、ここで僕の闘志に火がつきます。
「奴がやるならわしもやらにゃあいけん、ちゃらちゃらサークル活動なんぞやっとられるか、男は体育会じゃ~!」と地獄の門を叩く羽目になったのであります。
入ってみると居るは居るは総勢100人のアスリート集団。
東は名古屋から南は鹿児島まで、各県の進学校のエースクラス、半分以上インターハイ出場経験を持つ人々です。
県大会の準決勝でビリから2番目のわしは相当引いていましたな。
後に6年生(神様のような存在の4年生が1年生の時3年生)となり陸上部でガキ大将のようになっていた僕にOBの先輩が来て「○○君は入った時は凄いおとなしかったのにね~」と言われましたわな。
しかしまじできつかったですわ~、「わしとてY高のエース、そこそこやったるわい」と意気込んでおったわけですが、
「今日の練習は300mを40秒切りで3本」「それはわしのベストが41秒と知っての狼藉か。」
皆さんは3本分考えて軽く1本目39くらい。
わしはとりあえず、後先考えずに全力疾走1本目40秒2「うしゃー、ベスト更新じゃー!」
毎日「家に帰れるんか?」と心配になるほどボロボロになりました。
しかしよう続いたな。